1月27日の記者会見冒頭で握手を交わす、NECの遠藤信博社長(右)とレノボのヤン・ユアンチンCEO(左)
記者会見で握手を交わす、NECの遠藤信博社長(右)とレノボのヤン・ユアンチンCEO(左)
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 NECと中国レノボは1月27日、パソコン事業の合弁について発表した。先週1月21日に日本経済新聞で「NECはレノボ・グループと合弁でパソコン事業を展開することで最終調整に入った」と報じられてから両社の動向が注目されていたが、その全容がいよいよ正式に明かされた。

 NECの遠藤信博社長は記者会見で、合弁の理由を「製品力の強化」「スケールメリットによるコスト競争力の強化」「NECのビジネスPCの海外展開拡大」とした。パソコンだけでなく、タブレット端末やサーバーを共通で販売する可能性も示唆した。

合弁会社の出資比率はレノボ51%、NEC 49%

NECとレノボ、PC事業合弁を正式発表

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NEC「レノボとの合弁、今は何も言えない」

NECの最近の業績

 IT市場の回復が遅れている影響もあるが、最近のNECの業績は苦しい状況が続いている。NECはパーソナルソリューション事業(パソコンやスマートフォンなど)について、2010年度通期で増収減益を予想している。

NECの4-12月期決算は124億円の営業赤字、ITサービスが減収減益

NECが2010年3月期決算、3209億円の固定費削減で黒字転換

NECの10年3月期は売上高4兆円割れへ

レノボ・グループの業績の推移

 3年間赤字続きだったという米IBMのパソコン事業をレノボ・グループが買収したのは2005年のこと。このとき、年間出荷台数1400万台、パソコンの売上高130億ドル規模で世界第3位のパソコンメーカーとなった。だが、2007年にシェアで台湾Acerに抜かれ、レノボは世界第4位となった。2010年度(2009年4月~2010年3月)の売上高は166億ドル。

Lenovoの2005年3月締め通年決算は2.7%減収、「IBMのPC事業合併は順調」

Lenovoの2006年1~3月期決算、前年同期比417%増収するも赤字に

Lenovoの2007年1~3月期決算は9%増収で黒字に転換、PC出荷は17%増

Lenovoの2008年1~3月期は前年同期比13.5%増収、PC出荷は同21%増

Lenovoが2500人の削減を含むリストラ策、役員報酬を最大5割カット

Lenovoの2009年4~6月期、約18%減収で1600万ドルの赤字

Lenovoの2010年1~3月期決算、56%増収、PC出荷は59%拡大