1位 「WordやExcelが購入できなくなることはない」,総務省がNHK報道を否定
2位 「Vistaではシャットダウンよりもスリープを使ってほしい」---マイクロソフト
3位 マイクロソフト,Windows XP Homeのサポートを2014年4月まで延長
4位 富士通,Vista対応の世界最小モバイルノートを発表
5位 どんなソフトが動かなくなる?---Vistaの重要な仕様変更点が明らかに
6位 マイクロソフト,IE7を日本のユーザーに誤って自動更新で配布
7位 MicrosoftがVista SP1とXP SP3のリリース時期を発表,08年のQ1と上半期
8位 Vista Ultimateのサポート期間,不可解な短縮
9位 「Windowsが応答しなくなる問題」のパッチ,自動更新で配布開始
10位 「パソコンの新しい時代が始まる」――Vista搭載のパソコン新製品247機種が一斉発表
11位 Vista Ultimateのサポート期間,5年間の短縮が確実に
12位 「環境保護とコスト削減のためスクリーンセーバーは外そう」---Microsoftが報告
13位 秋葉原の量販店を歩いたバルマーCEO,注目した製品は?
14位 Windows Updateで発生している“自動再起動問題”
15位 日本語文字セットがVista最大の問題として急浮上
16位 米マイクロソフト,「Virtual PC 2007」正式版を無償公開
17位 「Windows Vista」のアクティベーションはほぼ永久に先送り可能
18位 深夜販売限定でお目見えする「Windows Vista Ultimate α」とは?
19位 カリスマ講師が教える「こんなアプリケーションはVistaで動かない」
20位 富士通,Windows VistaとIE7の社内利用を本日解禁
秋葉原の深夜イベント
Vista発売日の深夜イベント(東京・秋葉原)
Vista発売日の午前0時には,マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長がヨドバシカメラの藤沢昭和社長と共に登場した。

 Windows分野における2007年の一番のトピックは何と言っても,1月30日にVistaの一般コンシューマ向け出荷が始まったことである。

 それに先立つ2007年1月15日にはマイクロソフトが「Windows Vista」「2007 Office system」の製品発表会を開催。NECパーソナルプロダクツ,エプソンダイレクト,東芝,日本ヒューレット・パッカード,日立製作所,富士通,レノボ・ジャパンなど17社が,Vista搭載パソコン247機種を一斉に発表した。

 各社は発表会でリビング向けの新コンセプトPCなどを紹介し,「パソコンをメールやインターネットのためだけに使うのではなく,それらを超えたさまざまな体験ができるようになる」(Windows本部長のジェイ・ジェイミソン氏)ことを訴求した。

XPのサポートや販売を延長

 Windowsですでに恒例となっている発売日午前0時のカウントダウン・イベントはそれなりに盛り上がりを見せた(左下の写真)。しかし,発売イベント前の2007年1月25日にマイクロソフトが,日本市場の要望にこたえる形で「2009年4月で終了するとしていたWindows XP Homeのサポートを2014年4月まで延長」することを発表。

 さらに,2007年9月27日には,「Vista発売の1年後にあたる2008年1月31日をもってWindows XP正規OEMライセンスの提供を終了する」としていた当初の予定を5カ月延長し,2008年6月30日まで提供を継続すると発表した。マイクロソフトはVistaの販売が好調であることを強調しているが,その一方で,XPに対するニーズが引き続き高いことを伺わせた。

互換性や新機能に戸惑い

 Vistaに対するユーザーの戸惑いや不安は,右ページのランキングからも読み取れる。一つは既存アプリケーションの互換性の問題である。

 ITproでは,Vistaでセキュリティが強化されることによって動かなくなる恐れのあるアプリケーションについての解説記事(関連記事1関連記事2),日本語Windows Vistaが新文字セット(「JIS X 0213:2004」)を採用したことによる文書の互換性やサーバー・アプリケーションへの影響を解説した記事などがよく読まれた。

 また,Windows Vistaで新たに加わった省電力モード「スリープ・モード」に戸惑った人も少なくなかったようだ。スリープ・モードは,XPが備えているスタンバイと休止状態を組み合わせたモードだが,単なる省電力モードの1つというわけではない。XPでは「電源オフ=シャットダウン」だったが,Windows Vistaでは「電源オフ=スリープ・モード」になる。さらに,スリープ・モードの設定内容が,デスクトップPCとノートPCでは異なるなど,ややわかりにくくなっている。

文書フォーマットのオープン化が進む

 ITproのWindows分野のランキング1位のニュース「総務省がNHK報道を否定」は,政府調達の基本指針にある「オープンな仕様に基づく製品を優先する」という言葉の“解釈”を巡ってのもの。NHKが,マイクロソフトのWordやExcelの文書規格がISOやJISの規格になっていないため,オープンな仕様に基づいていない,と判断して,WordやExcelが購入できなくなる旨を報道したことに対して,総務省が否定する形で反論した。

 実際マイクロソフトは,オフィス・アプリケーション向けファイル・フォーマット仕様「Office Open XML」ですでに,国際的な標準化組織であるEcma Internationalの承認を受けている。Open XMLはISO(国際標準化機構)標準としての採用が見送られたが,マイクロソフトは2008年初頭には承認を獲得できると確信すると語る。こうした一連の流れは,文書フォーマットによるユーザー囲い込みの終えんを象徴している。

IE7の配布が問題に

 ランキング6位のニュースは,マイクロソフトが2007年10月5日に,日本のユーザーに対してWindowsの自動更新でInternet Explorer(IE)7を誤って配布してしまったことを明らかにしたもの。この自動更新は,主に欧米向けユーザーのためのものだったが,マイクロソフトの設定ミスで日本の一部ユーザーにもインストールされてしまったという。

 IE7については,2008年第2四半期にリリース予定のWindows XP SP3から外されることが明らかになった。IE6とIE7ではActive Xコントロールの非互換性などが問題視されており,Active Xをよく使っているアジア圏に配慮した格好だ。

 ただし,暮れも押し迫った2007年12月17日,マイクロソフトは,IE7日本語版を2008年2月13日から自動更新機能を使って配布することを明らかにした。自動更新機能を有効にしているパソコンには,IE7が自動的にインストールされるようになる。