米Microsoftは8月29日(米国時間),「Windows Vista Service Pack 1(SP1)」と「Windows XP Service Pack 3(SP3)」のリリース時期と内容をやっと発表した。Microsoftによると,どちらのサービス・パックもエンドユーザー向けの大きな新機能は提供しないという。特にWindows Vistaは新たなサポート体制を導入し,必要に応じて随時アップデートするため,サービス・パックでアップデートをまとめて行うことはない(関連記事:Microsoft,「Windows Vista SP1」のベータ版を限定リリース,RTMは08年Q1)。

 筆者はMicrosoft関係者から「数週間後にWindows Vista SP1のベータ版を,中程度の人数のユーザーへ提供する」と聞いた。「このSP1では,信頼性およびパフォーマンスに関する特定の問題解消,新たなハードウエアと標準技術への対応を主体とする変更をWindows Vistaに施す。2008年第1四半期の完成を目指している」(Microsoft関係者)。

 Windows Vista SP1のベータ版は段階的に作業を進め,しだいに対象者を増やしていく。現在ごく限られた人数のテスト・グループが,初期段階にあるSP1のコードを評価中だ。数週間後にテスト参加者を増やし,その後のプレリリース版でMSDNおよびTechNetの会員に提供することで大規模なテストを行うという。

 Microsoftとしては,特に企業顧客がSP1リリースを待たずにWindows Vistaの導入を進めてくれると好都合である。筆者がサービス・パックの件を初めて報告した記事に書いた通り,MicrosoftはWindows Vista SP1と次期サーバーOS「Windows Server 2008」の同時出荷を計画している。とうとうMicrosoftは8月29日の発表でこの情報も認めた。

 一方Windows XP SP3は,2008年上半期のリリース予定で,小規模なアップデートになる。「Windows XP SP3は,セキュリティ・アップデートや例外的なリリース,ホットフィックスなどの公開済みアップデートをまとめて提供する。数は少ないが,新たなアップデートも入れる。適用してもWindows XPの操作性は大して変わらない」(Microsoft関係者)。今のところMicrosoftは,Windows XP SP3で初めて提供するアップデートの内容を明かしていない。

 Windows Vista SP1の詳細については,SuperSite for Windowsに掲載した「Windows Vista Service Pack 1 Revealed」のFAQを読んでいただきたい。