米Gartnerが,携帯電話機市場に関する調査結果を英国時間7月20日に発表した。それによると,2005年における全世界の販売台数は7億7900万台で,前年に比べ16%増えるという。Gartner社は,2009年に年間販売台数が10億台を超えると予測する。2009年末時点の使用台数は,全世界で26億台と見込む。

 販売台数を種類別にみると,第3世代(3G)携帯電話機が2006年に1億台を超え,スマートフォンが2008年に2億台を超える。「携帯電話機に対する世界需要は,これまで最も楽観的な予測でさえ上回ってきた。今後,地球上で一番普及した家電機器になっていくだろう」(Gartner社モバイル端末調査担当副社長のBen Wood氏)


■全世界における1997~2009年の携帯電話機販売台数の推移(単位:100万台)
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1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
107.84 175.65 295.15 414.99 413.31 427.37 519.99
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2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
674.00 778.75 847.24 914.02 980.29 1,041.52
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出典:Gartner社のDataquest(2005年7月)

 「販売台数拡大は特定の地域で起こることではなく,世界的な現象だ。欧州や北米のような成熟市場では,加入者が電話機を買い換え続ける。ブラジルやインドなどの新興市場では,これまで以上のペースで加入者が増えていく」(Gartner社モバイル端末主任アナリストのCarolina Milanesi氏)

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・アジア太平洋地域は2005年時点で世界販売台数の4分の1を占めている。2009年にはこの割合が3分の1に拡大する

・中国とインドで2007年に2億台弱を販売する。2009年にはインドが中国を追い越し,1億3900万台に達する

・中南米の最大市場はブラジルで,2005年の販売台数は同地域全体の3分の1以上を占める。中南米の販売台数は2009年に1億台に達し,2004年の2倍近くに増える

・スマートフォンの販売は2005年第1四半期に過去最高を記録した。2006年は前年比2倍となる

・携帯電話機の平均卸売価格は,2004年の174ドルから2009年には161ドルに下がる

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