韓国のSamsung Electronicsは,70nm製造プロセス・ルールによる4GビットNAND型フラッシュ・メモリーの量産を開始した。Samsung社が現地時間5月30日に明らかにしたもの。

 製造工程でフッ化アルゴン光源フォト・リソグラフィを採用したことで,70nmという微細なエッチングが可能になったという。メモリー・セルの面積は0.025平方μmで「業界最小」(同社)。

 データ書き込み速度は毎秒16Mバイトあり,90nm版2Gビット・フラッシュ・メモリーに比べ50%高速化した。「これにより,高精細ビデオ映像をリアルタイムに保存できる」(同社)

 同フラッシュ・メモリーの開発に成功したのは2003年9月。これまで同社は,1999年に256Mビット,2000年に512Mビット,2001年に1Gビット,2002年に2GビットのNAND型フラッシュ・メモリーを開発しており,Samsung社半導体事業担当社長兼CEOのChang Gyu Hwang氏の提唱する「記憶容量は12カ月ごとに倍増する」という“法則”に従っている。

 また同社は,予定より1カ月早く新しい300mmウエーハ製造ラインの稼働を始めた。同ラインで70nm版4Gビットと90nm版2GビットのNAND型フラッシュ・メモリーを製造する。当初の製造能力は月産4000枚。2005年末の月産1万5000万枚体制に向けて生産量を増やしていく。

◎関連記事
韓国Samsung,フラッシュ・メモリーによる16Gバイト半導体ディスクを開発
韓国Samsungと米Microsoft,フラッシュ・メモリーとHDDのハイブリッド記憶装置を開発
米IBM,独Infineon,台湾のMacronixが不揮発性メモリー「PCM」を共同研究
「米国のMP3プレーヤ出荷台数,2010年まで年平均10%増加」,米調査
米Intel,マルチ・レベルの組み込み用フラッシュ・メモリーを発表
米Intelのフラッシュ・メモリー製品計画,年内に90nm版NOR型などをリリース
「新型不揮発性メモリーによる“ナノストレージ”市場は2011年に657億ドル規模」,米調査
米MicronがNAND型フラッシュ・メモリー市場に参入,年内に2Gビット/90nm製品を

[発表資料へ]