米Intelが,2005年における携帯電話機/組み込み機器向けNOR型フラッシュ・メモリー製品などのリリース計画を米国時間3月2日に発表した。マルチ・レベル・セル(MLC)技術を適用したフラッシュ・メモリー製品系列「Sibley」(開発コード名)や,フラッシュ・メモリー用ファイル・システム「Intel Flash Data Integrator(FDI)」をマルチメディア携帯電話機向けに機能強化した「Naubinway」(開発コード名)の提供を予定している。

 Sibleyの製造プロセス・ルールは90nm。最大108MHzのクロック周波数で,ウェイトをかけずにデータを読み出すことができる。書き込み速度は最大500kbpsで,「無線対応の携帯機器で必要とされる高速なマルチメディア・データ・ストレージとして使える」(Intel社)

 Naubinwayは,マルチメディア携帯電話機での利用を想定したフラッシュ・メモリー用ソフトウエア。「ソフトウエアのオーバヘッドを最小限に抑えているので,デジタル画像,デジタル音楽,ビデオ・ストリームのように大きなサイズのファイルを保存する際に,フラッシュ・メモリーの速度を最大限引き出せる」(同社)という。

 また同社は,組み込み機器向けの低コスト版フラッシュ・メモリー製品系列として,新たに「Sixmile」を設けることも明らかにした。

 「これら新製品により,当社のNOR型フラッシュ・メモリー製品の品ぞろえは倍増する。携帯電話機および組み込み機器のメーカーは高い性能,信頼性,コード実行能力を求めており,こうした要求に応えることができる」(Intel社フラッシュ製品グループ担当副社長兼ジェネラル・マネージャのDarin Billerbeck氏)

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