米Jupitermedia傘下のJupiterResearchは,携帯型音楽プレーヤに関する調査結果を米国時間4月13日に発表した。それによると,米国のMP3プレーヤの出荷台数は2005年に前年比35%増の1820万台に達する見込みで,2010年まで年平均成長率(CAGR)10%強で推移する。インストール・ベースの台数は,2004年の1620万台から2010年には5610万台に拡大する。

 JupiterResearch社は,MP3プレーヤが今年中にクリティカル・マスに達し,デジタル音楽向けのサービスや店舗に対する需要を煽るとしている。同社は,米Apple Computerの「iPod」が成功を収めていることを主因に,短期的な見通しを引き上げたが,「2007年には,フラッシュ・メモリーを内蔵したMP3プレーヤの出荷台数が,ハード・ディスク内蔵型のそれを上回る」と述べている。

 JupiterResearch社バイス・プレジデント兼リサーチ・ディレクタのMichael Gartenberg氏は「iPodの勢いは,とどまるところを知らない」と説明する。「iPodは消費者にとって現象となっている。Apple社は,MP3プレーヤの成長を中期にわたって制することになる」(同氏)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,米国消費者の90%以上が,デジタル音楽の保有曲数を「1000曲未満」としており,そのうち60%は「200曲未満」と答えている。フラッシュ・メモリーを内蔵したMP3プレーヤの容量増加と価格下落により,消費者の大半が同プレーヤで事足りるようになるという。

 「従来,米国世帯への普及率が15~20%に達した新たなデバイス/メディアは,その他の消費者向け製品・サービスに対するクリティカル・マスとなる」(JupiterResearch社バイス・プレジデント兼シニア・アナリストのDavid Card氏)

◎関連記事
「音楽/ビデオ・ファイルの入手経路,PtoP以外にMP3プレーヤやIMも」,米調査
「携帯型音楽プレーヤ,消費者のニーズは1000曲収録可能な容量」,米調査
2003年の携帯型デジタル・オーディオ・プレーヤ市場,出荷台数と売上高ともに200%以上成長
1年ですっかり様変わりしたデジタル音楽市場,競争はさらに激しく
米RealNetworks,米Time Warner Cableにデジタル・メディア配信技術をライセンス供与
HPブランドの「iPod」が夏に登場
米RealNetworks,メディア・プレーヤの新版「RealPlayer 10」を公開
英Virgin,デジタル音楽販売の総合サービスで米MusicNetと提携

[発表資料へ]