米Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)は,IP電話サービス「AOL Internet Phone Service」を米国時間4月7日に発表した。同日より,ジョージア州アトランタ,マサチューセッツ州ボストン,カリフォルニア州ロサンゼルス,ニューヨーク州ニューヨークなど,米国の40都市以上で利用可能とした。サービス地域は順次増やしていく予定。

 同サービスは,既存のブロードバンド・インターネット接続を利用する。市内/市外/国際電話の発着信が可能で,料金は従来の固定電話サービスより安いという。

 標準的な通話機能のほか,コール・ウェイティング(キャッチホン),発信者番号通知,ボイスメール,転送,プレゼンスなどの機能を備える。オンライン電話管理機能もあり,Webページで各種設定や通話履歴の管理などが行える。

 “911番”への緊急通話発信ができるだけでなく,発信者の住所などを自動的に伝えるEnhanced 911(E-911)にも対応している。なお同社は同日,E-911に関する業界団体National Emergency Number Association(NENA)の推進活動「Next Generation E9-1-1(NG E9-1-1)Program」への参加も明らかにした。

 サービスは,3種類のメニューを用意する。各メニューの内容と料金は以下の通り。

・Local Plan(市内通話プラン):
 当初3カ月は月額13.99ドル,その後は月額18.99ドルで市内通話を無制限に利用できる。米国およびカナダ向け長距離通話の料金は,1分当たり4セント

・Unlimited Calling Plan(通話無制限プラン):
 当初3カ月は月額24.99ドル,その後は月額29.99ドルで,米国およびカナダの全地域との通話を無制限に利用できる

・Global Calling Plan(国際通話プラン):
 当初3カ月は月額29.99ドル,その後は月額34.99ドルで,米国およびカナダの全地域との通話を無制限に利用できるほか,「低料金」(同社)で国際電話が利用できる

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IP電話から緊急通報を実現するための技術条件が固まる

[発表資料(AOL Internet Phone Service)]
[発表資料(NG E9-1-1 Program)]