米VERITAS Softwareはストレージ管理ソフトウエアの新版を米Sun Microsystemの「Solaris 10 Operating System(OS)」に完全対応させる。VERITAS社が米国時間3月15日に明らかにしたもの。Solaris 10 OSをフルサポートするのは,「VERITAS Storage Foundation」「同Cluster Server」「同Volume Replicator」のバージョン「4.1」。

 Solaris 10は,「Linux Application Environment」(開発コード名は「Project Janus」)と呼ぶ機能により,Linuxアプリケーションをバイナリ・コードのまま未変更で実行することが可能。また,新たに128ビット・ファイル・システム(FS)「ZFS」を採用したことで,現在の64ビットFSに比べ160億倍の容量を提供できる。問題を分析および復旧する診断ツール「DTrace」,8000個以上のパーティションを設定可能な機能「Solaris Containers」,自己修復機能「Predictive Self Healing」,実行するコードが修正されていないか検証する機能「Secure Execution」なども備える。OS本体を,Common Development and Distribution License(CDDL)と呼ぶライセンスのもとでオープンソース提供している。

 VERITAS社の新版ソフトウエアの主な特徴は以下の通り。

・VERITAS Storage Foundation 4.1は管理の合理化とパフォーマンスの向上を図った。Solaris Containers,DTrace,Secure Executionなどをフルサポートするほか,多数のAPIとソフトウエア開発キットを装備する。異種混合のサーバー環境における共通のストレージ管理プラットフォームの構築を簡素化する

・VERITAS Cluster Server 4.1は,データの可用性を最大限に高め,計画または事故によるダウンタイムでのデータ保護を向上する。Solaris 10で構成したLANやWAN,あるいはSolaris Containersを使用した仮想化環境に対応する

・VERITAS Volume Replicator 4.1は,IP経由のデータ複製機能を強化した。クラスタ化したデータベースを同期/非同期式で複製し,迅速に復旧することが可能。Solaris 10だけでなく,米Oracleのクラスタ・アーキテクチャ「Oracle RAC」を用いた環境で動作するアプリケーションやデータベースもサポートする

 サーバー1台あたりの価格は,VERITAS Storage Foundation 4.1が1495ドルから,VERITAS Cluster Server 4.1が2995ドルから,VERITAS Volume Replicator 4.1が4495ドルから。3製品とも2005年4月に一般向けにリリースする予定。

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