米Sun Microsystemsは,同社の新OS「Solaris 10」へのサポートに消極的な米IBMに不満だ。Sun社社長兼COOのJonathan Schwartz氏は米国時間1月21日に,自身のブログ・サイトでIBM会長兼CEOのSamuel J. Palmisano氏に宛てた手紙を掲載し,Solaris 10対応を強い口調で要請した。

 手紙は「Dear Sam」という親しげな書き出しで始まり,両社の長期にわたるパートナ関係を讃えた上で,IBM社がSolaris 10対応に取り組まないことを「ベンダー・ロックイン戦略」と批判した。主な内容は以下の通り。

 「当社は繰り返し,顧客のために『WebSphere』『DB2』『Tivoli』『Rational』『MQSeries』製品をSolaris 10に対応させるようにIBM社に伝えてきた。顧客もIBM社とそのスタッフに,そうした要望を告げている。顧客は,今度は当社に,IBM社がもっとオープンで見通しの良いアプローチをとるよう話して欲しいと望んできた。顧客はIBM社製品のSolaris 10対応を望んでおり,同社がサポートに取り組まないことを,『Power5』プラットフォームにユーザーを押さえ込もうとするベンダー・ロックイン戦略の一環だと感じている。

 IBM社のエンジニアは,『Solaris 8』あるいは『同9』からSolaris 10への移行がたいした作業ではないことを理解しているはずだ。簡単な再コンパイルで済む。コードの書き直しはまったく必要ない」

 Solaris 10では,OS自体は無償提供し,サポート・サービスなどで料金を徴収する。商業利用の場合でも,セキュリティ修正やアップデータのダウンロードを含め,ユーザー登録すれば無償利用が可能。サポート/マイグレーション/教育などのサービスは有料となる。

 ちなみに米メディアの報道(internetnews.com)では,IBM社広報担当のSteven Eisenstadt氏は,「IBM社は顧客の要望があればSolarisをサポートする。しかし今のところ,それに足る強い市場の需要は感じていない」と述べている。

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[ Schwartz氏のブログ]