米民間調査機関のConference Boardは,子供のインターネット利用に関する米国の親の意識調査を行い,その結果を米国時間1月5日に発表した。それによると,子供のインターネット利用を監視する親は95%以上にのぼり,子供がインターネットを利用する間,同室にいる親は4分の3に達したという。

 Conference Boardは四半期ごとに,米調査会社TNSと共同で消費者のインターネット利用に関してアンケートを実施している。米国の1万世帯を対象としており,回答率は平均70%。今回の調査は2004年第3四半期に実施したもの。

 インターネット接続を行う米国世帯のうち,18歳未満の子供がいる世帯は約5分の2だった。これらの子供の約60%が家庭でインターネットを利用している。

 子供の閲覧履歴をチェックする親は3分の1以上に達し,有害サイトのブロック・ソフトやISPが提供する監視サービスを利用する親の割合を大きく上回った。子供のインターネット利用に関して親が最も心配しているのは,「有害サイトの閲覧」,次いで「子供をオンラインで狙う犯罪者」だった。

 「程度はまちまちであれ,親が子供のインターネット利用を監視しているのは当然と言える。『インターネットを信頼している』という成人インターネット・ユーザーはわずか4分の1に過ぎず,多くの成人ユーザーはオンラインにおける自身の個人情報の扱いを心配している」(TNS社北米担当プライバシ・オフィサのDavid Stark氏)

 子供のインターネット利用を年齢別にみると,未就学児の用途は娯楽にほぼ終始している。小学生(6~12歳)になると,娯楽の比重が高いものの,学習にもインターネットを利用するようになる。宿題の調べものにインターネットを利用する小学生は約4分の3に達する。

 ティーンエイジャ(13~19才)になると,学校関連のネット・サーフィンが急増し,娯楽を上回る。コミュニケーションのための利用も増え,電子メールの利用率は4分の3,インスタント・メッセージングの利用率は約63%に達する。また,音楽関連のネット利用も目立ち,音楽のダウンロードは,小学生以下のユーザーに比べはるかに多い。

 子供のインターネット利用に関して,時間制限を設けていない親は4分の1以下だった。時間制限を設けている大半の親は,その主な理由として,「身体を動かす遊びをして欲しい」「コンピュータを長時間利用するのは身体によくない」「コンピュータは家族みんなで使用しているから」などを挙げた。

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