東芝(本社:東京都港区)は,米国大手映画会社4社が次世代DVD規格「HD DVD」のサポートにそれぞれ合意したことを,11月29日に発表した。同規格の支持を表明したのは,米Paramount Pictures,米Universal Pictures,米New Line Cinema,米Warner Bros. Studios。

 Universal Pictures社は,2005年ホリデー・シーズンに一部のタイトルをHD DVDディスクで販売する。Paramount Pictures社は,2006年より新タイトルをHD DVDディスクでリリースする計画である。

 HD DVDは,家電メーカー,IT企業,コンテンツ企業など230社以上が参加する業界団体DVD Forumが策定を進める規格。高度なコンテンツ・アクセス機能やコンテンツ保護機能をサポートし,30Gバイト容量の片面2層HD DVD ROMディスクに8時間の高精細映画コンテンツを記録できるという。また,現行のDVDとの下位互換を保持する。

 DVD Forumでは,2004年2月に再生専用規格「HD DVD-ROM」の物理仕様バージョン「1.0」を,2004年9月に書き換え用規格「HD DVD-Rewritable」のバージョン「1.0」を承認済みで,一回書込み規格「HD DVD-R」についても年内に策定を完了する予定である。

 東芝のデジタルメディアネットワーク社社長兼CEOである藤井美英氏は「HD DVDの開発は,あらゆる面で計画通りに進んでいる」と述べる。「高品位放送の時代に入るとともに,消費者はますます大型HDディスプレイ向けの高精細コンテンツを望んでおり,HD DVDはこのトレンドに一致している」(同氏)

 東芝によると,HD DVD対応プレーヤは2005年後半に登場し,2006年には広範な販売が見込まれる。同社は最初のHD DVD対応家電製品を2005年第4四半期に市場投入する予定。HD DVDドライブを内蔵したノート・パソコンは2005年末の出荷となる。

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[発表資料(東芝のプレス・リリース)]
[発表資料(Universal Pictures社のプレス・リリース)]
[発表資料(Paramount Pictures社のプレス・リリース)]