米Intelが,モバイル技術「Intel Centrino」の将来版「Sonoma」(開発コード名)と「Napa」(同),電力管理仕様「ACPI specification v.3.0」を米国時間9月8日に発表した。Sonomaは2005年の早い時期に,Napaはその後利用可能とする。

 Sonomaは,モバイル技術の総称であるCentrinoの次版。システム・バスのクロック周波数を533MHzに高速化した新しい「Intel Pentium M」プロセサ(開発コード名は「Dothan」),チップセット「Alviso」(開発コード名),無線LSI「Intel PRO/Wireless 2915ABG network connection」で構成する。

 Sonomaの次版にあたるNapaは,65nmプロセス・ルールで製造するデュアル・コア・プロセサ「Yonah」(開発コード名)を採用。グラフィックス機能を統合した新チップセット「Calistoga」(同),次世代無線LSI「Golan」(同)を組み合わせる。

 パソコンの省電力化について,Intel社副社長兼モバイル・プラットフォーム・グループ担当ジェネラル・マネージャのAnand Chandrasekher氏は,「2010年までにバッテリ駆動時間8時間という目標に向け,当社は業界内の企業とプラットフォーム開発を進めている」と説明する。「Mobile PC Extended Battery Life Working Groupの活動により,省電力化の障害のいくつかは既に解消しつつある。なおACPI specification v.3.0をリリースするが,(普及させて効果を上げるには)業界の協力が欠かせない」(同氏)

 さらに同社は,省電力化を目的とする取り組みIntel Battery Life Optimization Programを通じ,OEMおよびODMの協力を得て,電力供給/管理アーキテクチャの技術指針を策定する。同社製ハードウエア/ソフトウエアを使って省電力機能を最適化するための指針についても,策定を行う計画という。

 また同社は同日,1/10GビットEthernetスイッチ用LSI「Capilano」(開発コード名)も紹介した。1/10GビットEthernet用ポート,アドレスおよびパケット用バッファ・メモリー,シリアライザ/デシリアライザ(SERDES)やXAUIなどのインタフェースを統合し,90nmプロセス・ルールで製造する。

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