米Intelが米国時間10月15日に,ノート・パソコンの電力消費に関する作業グループ「Mobile PC Extended Battery Life Working Group」の結成を発表した。同作業グループでは,“1回の充電で1日中使用できるノート・パソコン”の実現を目指すとしている。

 「コンピューティング業界の主要企業が参加している。連続8時間以上のバッテリ駆動を最終目的とした共通の課題に取り組み,技術の発展において協力する」(Intel社)

 同作業グループへの支持を表明している企業には,台湾のAcer,台湾のASUSTeK Computer,台湾のCompal Electronics,米Dell Computer,台湾のFirst International Computer,富士通,台湾のInventec,中国のLegend Holdings,韓国のLG Electronics,松下電器産業,米Microsoft,NEC,韓国のSamsung Electronics,東芝,台湾のQuanta Computer,台湾のWistronなどが含まれる。

 Intel社Mobile Platform Group部門バイス・プレジデントのAnand Chandrasekher氏は,「電源コンセントを使うことなく1日中動作し,どこでも欲しい情報にアクセスできるノート・パソコンが理想だ」と述べた。

 Mobile PC Extended Battery Life Working Groupには,ノート・パソコンの設計に関する技術知識の豊富な企業をはじめ,スクリーン,グラフィックスLSI,ハード・ディスク装置,OS,マイクロプロセサ,チップセット,無線装置など電力を消費する部品に精通している企業が参加している。

 同作業グループが最初に取り組む内容には,燃料電池とディスプレイ・サブシステムが含まれる。「ノート・パソコン電源の主流であるリチウムイオン電池技術も無視できないが,デジタル・エンターテインメントやマルチメディア,無線接続といった今後のノート・パソコン利用には向かない」(Intel社)。Intel社は,同作業グループによる成果を取り入れたIntel社製プロセサ搭載ノート・パソコンが2004年に登場すると見込んでいる。

 Mobile PC Extended Battery Life Working Groupは2002年10月に第1回会議を開催し,同作業グループの枠組みと作業事項の優先順位について話し合う予定である。

◎関連記事
米インテルのノートPC用新CPU「Banias」,「省電力,高性能,接続性,小型軽量をすべて実現」
米インテルがノートPC用新技術をデモ,将来の方向性を示す
米インテルが3次元構造を持つトライゲート・トランジスタを開発,「ムーアの法則のペースを保つ」
米インテルが2.20GHz版「Mobile Intel Pentium 4」などモバイル向けプロセサ11製品を一挙発表
「速度競争だけでは生き残れない」,米インテルが技術開発で“新機軸”
米インテルが“超低電圧”プロセサ「Ultra Low Voltage Pentium III」を発表
NVIDIAがモバイルGPU向けの低消費電力技術「PowerMizer」を発表
米TIが組み込み用DSPにWindows Media 9 Seriesエンコーダを移植,「低消費電力で動画再生が可能に」

[発表資料へ]