米Texas Instruments(TI)が,同社の組み込み用DSP「TMS320C64x DSP」プラットフォームに,米MicrosoftのWindows Media 9 Seriesエンコーダをポーティングした。TI社が米国時間9月12日に明らかにしたもの。「動作周波数600MHzの処理能力により,C64x DSPプラットフォームがMicrosoft社の最新プラットフォームの数ある改善点を際立たせる」(TI社)

 TI社は,2002年9月13日から17日にかけてオランダのアムステルダムで開催されるInternational Broadcasting Conventionで,C64x DSPによるWindows Media 9のエンコード機能のデモンストレーションを行う(ホール5のブース番号239)。

 このデモンストレーションで同社は,ネットワーク向けのビデオ開発キット「network video developers kit(NVDK)」上でWindows Media 9 Seriesエンコーダのベータ版を動作させ,Full D1(720×480ドット)解像度の動画を毎秒30フレームで再生させる予定。

 NVDKでは,OEMが開発を迅速に進めるのに必要な主要ハードウエアおよびソフトウエアを提供する。Windows Media 9 Seriesエンコーダを含むNVDKの製品版のリリースは,2003年1月と見込む。

 TI社ビデオ&イメージング事業部門担当ワールドワイド・マネージャのEric Braddom氏は,「プログラム可能な組み込み用デジタル・メディア・プラットフォームにWindows Media 9 Seriesエンコーダを実装したことで,最良の価格/性能の組み合わせを提供し,IPベースのストリーミング・メディア・アプライアンスに適した低消費電力を実現する」と説明する。

 「これまでWindows Media 9 Seriesエンコーダを利用するには,パソコン・ベースのマイクロプロセサに匹敵する性能が必要だった。当社のC64x DSPは,次世代の高性能組み込みデジタル・メディア・アプリケーション向けとして,魅力的な選択肢である」(同氏)

◎関連記事
米MS,次世代デジタル・メディア・プラットフォーム「Windows Media 9 Series」のベータ版をリリース
米TIがDSPの統合開発環境の最新版「Code Composer Studio v2.1」を発表,Windows XPに対応
米TIがDSPを圧縮率2倍の新MP3「mp3PRO」対応に,ネット・オーディオ機器向け
TIがインターネット時代のDSPとアナログ半導体の展望と戦略を語る
米On2のビデオ圧縮技術「VP5」のプレビュー版,「データ・レートが競合コーデックの半分で済む」
米リアルネットワークスが「RealOne Player v. 2.0」を発表,「Windows Media」「QuickTime」をサポート
米アップルが「QuickTime 6」などMPEG-4対応ストリーミング製品を発表
米国のマルチメディア利用はRealMediaとWindows Mediaが優勢,QuickTimeは苦戦

[発表資料へ]