「2006年には,ノート・パソコンのうち無線対応機能を装備する割合が最大37%に拡大する。これに対し,デスクトップ・パソコンではその割合は最大17%である」。中小企業(SMB)を支援する非営利団体Information Technology Solution Providers Alliance(ITSPA)は米国時間5月19日,米META Groupが行ったノート・パソコンの導入に関する調査結果を引用するかたちで発表した。

 ITSPA会長のRussell Morgan氏は「META Group社の見解は,全米の中小企業2200万社にとって非常に重要だ」と語る。「同社は,ノート・パソコンの利用をデスクトップ・パソコンと比較した場合,1週間あたりの作業量が最大13%,時間に換算すると6時間向上すると分析している。中小企業にとっては,ノート・パソコンの導入が生産性を高めるメリットにつながる」(同氏)

 また調査では,無線ネットワークにかかる費用が有線ネットワークとくらべて平均10%少ないことが明らかとなっており,「モバイルや無線技術の導入は,コスト削減と生産性向上の両方の効果がある。中小企業はこれらの機器を導入することで,事業を拡大し,競争力を高めることができる」(Morgan氏)。

 さらに,デスクトップ・パソコンのユーザーの大半が,「(ノート・パソコンなどの)モバイル機器を利用すれば職務満足度が高まると思う」と答えている。META Group社調査部門バイス・プレジデント兼リード・アナリストのJack Gold氏によれば,デスクトップ・パソコンを使用している従業員の70%が「モバイル機器は,仕事の場所や時間という意味で,(デスクトップ・パソコンよりも)柔軟性が高い」とみている。

 ちなみに,ITSPA技術委員会のメンバーは,中小企業がモバイル機器を効果的に導入するためのポイントとして,以下の点を挙げている。

・できるだけ早く,ただし段階的に,モバイル体制に移行する
・ビジネス・ニーズとユーザーの要求について,リストを作成する
・あらゆる無線技術を,綿密に評価する
・モバイル機器のセキュリティを確保する

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