米Seda Communicationは,成果報酬型のマーケティング手法,アフィリエイトがブランド企業に与える影響について調査した結果を米国時間9月6日に発表した。それによると,ブランド企業の多くは,検索エンジンで自社の名称を入力しても,最上位に表示されない状況に陥っている。キーワード検索で,ブランド名を合法的に利用するアフィリエイト参加者のサイトがヒットしてしまうためだ。
アフィリエイトは,例えばあるショッピング・サイトが別のWebサイトに広告を表示してもらい,その広告を通じてインターネット・ユーザーが商品を購入した場合,コミッションを支払うという仕組み。ブランド企業のアフィリエイト参加者は,膨大な報酬を得ているという。
Seda Communication社CEOのCatherine Seda氏は「マーケティング・パートナによる同一チャネルの競争で,ブランド企業に大幅な利益喪失が生じている」と説明する。「この競争はさらに加熱していく。オフラインのマーケティング・パートナも,ブランド広告によって報酬を獲得できることに気づき始めている」(同氏)。Seda Communication社によれば,アフィリエイト参加者だけでなく,卸売業者,小売店,カタログ企業,商品比較サイトやオンライン・オークション・サイトなども,競争相手になる可能性がある。
Seda氏は「ブランドのオーナーだからといって,検索結果で最上位に表示されるとは思わないことだ」と警告する。「もしアフィリエイト参加者が検索結果の上位10位を占めれば,かなりのコミッションを支払わなければならなくなる」(同氏)
また同氏は,「ブランド企業はアフィリエイト参加者と商標保護契約を結び,検索広告のキーワードにブランド名を使わないよう要請するべきだ。検索エンジンでの競争力を評価してから,アフィリエイト戦略を立てる必要がある」とアドバイスしている。
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