米IBMは,アプリケーション・サーバー「WebSphere Application Server」にオンデマンド・コンピューティング機能を付加するアドオン・ソフトウエア「WebSphere Extended Deployment」を米国時間6月24日に発表した。同アドオンを使用すると,ソフトウエアおよびハードウエアの処理性能が自動的に最適化され,負荷の不意な急変にも追随できるという。

 WebSphere Extended Deploymentは,複数のアプリケーション・サーバーとアプリケーションの負荷をより効率よく分散/共有するためのソフトウエア。「(予想外の負荷増大時にも)処理ペースを保てるだけでなく,ネットワークとトランザクション処理の速度向上にもつながる」(IBM社)。負荷分散の調整は自動的に行えるが,WebSphere Extended Deploymentからの情報を元に手動で対応することも可能。

 特定の処理を特定のアプリケーションに割り当てて,ボトルネック解消とより高速かつ経済的な処理実行を目指す設定も選べる。また,処理の重要度をあらかじめ指定しておくと,優先度の高い処理から済ませるよう動作してくれる。

 同社は世界各地の顧客のもとで,WebSphere Extended Deploymentのベータ版の試験を同日開始する。一般提供は2004年終盤に始める予定。

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