米IBMと米Akamai Technologiesは,J2EE(Java2 Platform, Enterprise Edition)Webアプリケーションの導入を容易にする新しいソフトを米国時間12月11日に発表した。新しい製品は,IBM社のJava開発ツール「WebSphere Studio」のアドオンであり,開発者がJ2EEアプリケーションをAkamai社のネットワーク上で容易に利用できるようにするもの。

 両社は,5月にWebSphere向けのオンデマンド・コンピューティング・ソリューション「Akamai EdgeComputing Powered by WebSphere」を発表していた。これは,WebSphere上で動作するアプリケーションを,1万5000台以上のサーバーで構成されるAkamai社の分散ネットワークに展開し,各Webアプリケーションのトラフィックと需要急増に対処するというもの。

 新しいソフトは,両社の提携を拡張するものであり,Akamai EdgeComputing powered by WebSphereがWebSphere Studioを効果的に利用できるようにする。開発者とアプリケーション構築者が,J2EEアプリケーションを容易に配備できる単一の環境を作る。開発者は,アプリケーションのコードを書いたら,ワンクリックでAkamai社のグローバル・ネットワークのインフラとリソースが即座に利用できるようになる。

 同サービスは,企業がサード・パーティ製のサービスを利用する分だけ購入またはリースできるユーティリティ・コンピューティング型のサービス。企業は,Akamai社がホストするネットワークを必要に応じて利用するため,新しいWebSphereアプリケーションのためにサーバーを購入する必要がなくなる。そのため,経費の節減とシステム開発の時間短縮が可能になる。

 同サービスの料金は,Akamai社のサービスに対するWebリクエストの数をベースに決まる。100万件のリクエストで月額2000ドルから。

 開発者は,EdgeComputing Toolkit for WebSphere Studioの技術レビューを米IBM社のalphaWorksから無償でダウンロードできる。

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