ドイツのSAPは米国時間6月9日に,飲料メーカーの米PepsiCoが同社のe-Businessアプリケーション・スイート「mySAP Business Suite」を各事業にわたって導入することを明らかにした。PepsiCo社は,共通の情報システム・プラットフォームを構築し,全社的なビジネス・プロセスの統合を図るとしている。

 PepsiCo社は「Frito-Lay」(スナック菓子),「Pepsi-Cola」(清涼飲料水),「Gatorade」(スポーツドリンク),「Tropicana」(ジュース),「Quaker」(シリアル)などのブランド商品を世界市場で販売している。「PepsiCo社はそれぞれの事業に特有のニーズに対応しつつ,全体を把握して効率的に運営するための共通手段を探していた。mySAP Business Suiteによって,流通および配達を合理化し,企画および予測を向上できる。情報の透明性を高め,サプライ・チェーンと在庫,顧客対応を密に連携させる統合プロセスを実現する」(SAP社)

 PepsiCo社は,mySAP Business Suiteのすべての製品を導入する。新たなシステムの実装には数年かかる見込みで,現在詳細な計画を検討中である。

 PepsiCo社社長兼CFOのIndra K. Nooyi氏は,「今回の(各事業にわたる)共通技術プラットフォームの導入は,ビジネスの変換を進める上で大きな一歩となる」と述べた。

 ちなみに米メディアの報道(TechWeb)によると,PepsiCo社は1997年以来,米Oracleの製品を利用している。Oracle社製品からSAP社の企業アプリケーションに移行する範囲がどの程度の規模かは,明らかにしていない。Oracle社は「PepsiCo社は引き続き当社の重要な顧客だ」としているが,Oracle社Webサイトで提供している顧客マーケティング資料のPepsiCo社関連はアクセス不可能になっている。

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