「企業は,2003年IT予算の20.3%をeビジネスに当てている」。米Line56社と米EDSの子会社であるA.T. Kearney社が調査結果を米国時間8月7日に発表した。過去2年の調査結果では,2001年が17.5%,2002年が19.3%を記録しており,企業のIT構想におけるeビジネス予算枠は着実に拡大していることが明らかになった。

 同調査は,年間売上高が2億5000万ドルを越える企業を対象に行なった。これら企業は,平均して年間4260万ドルをeビジネスに投資している。2004年の投資額は2.5%増加すると予測される。

 eビジネス関連の支出のうち38%は,ハードウエア,サーバー・ソフト,データベースなどのネットワーキングとインフラに投じられている。eビジネス・アプリケーションとツールの分野では,多くが企業リソース・プランニング(ERP),ポータル,サプライ・チェーン管理(SCM),顧客関係管理(CRM),コンテンツ管理に投資している。

 同調査により,モバイル・ソリューションやWebサービスといった新しい分野が注目を集める中で,従来の技術に向けた投資が大部分を占めていることが明らかになった。また,2001年には,eビジネスが他の技術部門から独立した部門で扱われる傾向にあったが,2003年の調査結果によれば,eビジネスが企業内の技術部門で扱われる傾向に移行したことも明らかになった。

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