米IBM，中小企業のビジネス・プロセス統合を支援するミドルウエアを発表

早坂利之

2004.05.06

　米IBMは米国時間5月5日に，中小企業向けのビジネス・プロセス統合ミドルウエア「WebSphere Business Integration Server Express」を発表した。「既存のITシステム，ビジネス・プロセス，アプリケーションの連携を簡素化する」（IBM社）としている。

　ビジネス・プロセスの統合は，中小企業にとって主要な課題の一つだ。IBM社の調査によれば，中小企業の75％は，異なる複数のコンピューティング環境を運用しているという。WebSphere Business Integration Server Expressは，各種のカスタム可能なアダプタやプロセス・テンプレートを用いることで，「既存のCRMやERPソフトウエアをはじめ，Web対応製品カタログ，電子商取引サイト，従業員向けポータル・サイトを密に統合することが可能」（IBM社）。

　WebSphere Business Integration Server Expressは，Windows，Linux，IBM OS/400に対応する。価格は1プロセサ当たり5999ドルから。5月14日より一般向けにリリースする。

　また同社は，三つの業界に特化したExpressブランドの中小企業向け製品も明らかにした。エレクトロニクス業界向けの「Product Lifecycle Management（PLM）Express Solution for Electronics Manufacturers」は，3次元CAD「CATIA V5」と，フランスのDassault Systemesが開発した製品データ管理の「SMARTEAM」の技術が含まれる。価格は1万4240ドルから。即座に販売を開始する。

　生命科学業界向けの「Life Sciences Solution for PeopleSoft」は，バイオ製薬や医療機器を手がける企業の総勘定元帳，買掛債務，購買費などの処理に対応する。ハードウエア，ソフトウエア，ミドルウエア，導入サービス，融資プランなどを組み合わせ，直ちに利用可能にする。

　製造業界向けの「eServer iSeries for PeopleSoft World Express」は，「eServer iSeries 800」サーバーをベースに，IBM社あるいは同社パートナ企業の導入サービス，融資プランを組み合わせる。工業製造，流通，建設などの分野に合わせた31種類の設定済みビジネス・プロセスを備える。