米IBMは米国時間4月21日に,サービス指向アーキテクチャ(SOA:service oriented architecture)ベースのビジネス・プロセス構築を支援するソフトウエアとサービスを発表した。

 SOAは,再利用可能な標準インタフェースを用いて,社内アプリケーションや顧客およびサプライヤとの業務を連携させる手法。多数の企業が現在導入している社内および社外コミュニケーションのアーキテクチャは,ビジネス環境の変化に対応することが難しいが,SOAではWebサービスといった標準規格ベースのソフトウエア・コンポーネント群を使うことにより,柔軟性の高い関係構築を実現できる。例えば,旅行サイトの航空チケット予約,銀行のローン手続き,メーカーにおけるSCMの簡素化など,特定の事業の課題に向けてプロセスをカスタマイズ可能。

 同社が今回発表した主な内容は以下の通り。

■ソフトウエア
・WebSphere Business Integration Server Foundation:業務プロセス記述言語Business Process Execution Language(BPEL)に対応する。企業は,既存のWebサービスやパッケージ製品のアプリケーションを利用して再利用可能なサービスを作成したり,サービスどうしを組み合わせてビジネス・プロセスとソフトウエア・アプリケーションをつなぐことが可能。

■サービス
・IBM Assessments for Services Oriented Architectures:IBM社のサービス部門であるIBM Global Servicesが,企業のSOA導入計画について機能面と技術面を審査する。

・Strategy and Planning for Service Oriented Architectures:SOAベースのコンピューティングを活用するための業務および技術能力を特定する。IBM Global Services社が,顧客のSOA導入に合った業務サービス候補,見通し,機能上のビルディング・ブロック,ガバナンス・モデル,参照モデル・アーキテクチャ,移行プランなどを提供する。

・Application Renovation and Integration for Services Oriented Architectures:企業がレガシー・システムのデータを新たなSOAベースのビジネス・プロセスと連携させた場合の効果を判断したり,レガシー・アプリケーションをSOAに対応させることを支援する。

・Component Business Modeling:ビジネス・プロセスと各種業界を照合し,人材,プロセス,システムで構成する個別の活動に業務を分類できるようにする。IBM社の研究部門IBM Researchと同コンサルティング部門Business Consulting Servicesが協力する。

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