米VERITAS Softwareは米国時間1月7日に,仮想化技術を手掛ける米Ejasentを買収することで、両社が最終合意に達したことを明らかにした。買収金額は5900万ドル。キャッシュで支払う。買収手続きの完了は2004年1月を予定している。買収手続完了後,Ejasent社はVERITAS社のHigh Availability/Clusteringグループの一部となる。

 「Ejasent社のアプリケーション仮想化技術を利用して,当社のユーティリティ・コンピューティングへの取り組みを強化する」(VERITAS社)

 Ejasent社の主力ソフトウエア「UpScale」は,動作中のアプリケーションのスナップ・ショットを作成し,すべての設定やデータなどを保存した状態で,アプリケーションを別のサーバーにリアルタイムで移動する。エンド・ユーザーにとっては,アプリケーションのダウンタイムがほとんどなく,ITマネージャにとってはアプリケーションのアップグレードや保守に要する時間を削減できるというメリットがあるという。

 VERITAS社Product Operations部門担当執行副社長のMark Bregman氏は,「ユーティリティ・コンピューティングの目的は,エンド・ユーザーが常にアクセス可能なITインフラの管理を簡素化すること。Ejasent社の技術は,その実現に向けて当社製品を補完ができる」と説明する。

 またVERITAS社は,同社のサービス・レベル管理ソフト「CommandCentral Service」に,Ejasent社の「MicroMeasure」を統合する予定である。MicroMeasureはサーバー,ストレージ,アプリケーションなど,データセンター資産の利用量を測定し,課金するソフト。「UpScaleとMicroMeasureは,2004年第2四半期に提供できる見通し」(同社)という。

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