米PeopleSoftの敵対的買収を図る米OracleがPeopleSoft社株式の公開買付で1株当たりの買い取り金額を変更したことを受け,PeopleSoft社役員会は,株主に対してOracle社の公開買付に応じないよう勧告することを満場一致で可決した。PeopleSoft社が米国時間5月26日に明らかにしたもの。

 米Oracleは5月14日に,公開買付価格を1株あたり26ドル(総額約94億ドル)から21ドル(総額約77億ドル)に引き下げることを発表している。これについてOracle社会長兼CFOのJeff Henley氏は,「市場状況とPeopleSoft社の市場評価額の変化を反映したもの。新たな提示額は,PeopleSoft社株の5月14日終値である17.30ドルに21%上乗せしており,これまでの提示額より上乗せ率は高い」と説明した。また,買付の期限も,ニューヨーク時間2004年6月25日24時から同7月16日24時に変更した。

 PeopleSoft社役員会はOracle社の提案を「慎重に検討した」(PeopleSoft社)結果,「変更後の金額は不十分で,PeopleSoft社の真の価値を反映していない。その上,PeopleSoft社とOracle社の合併は,独占禁止法に抵触するとの判断を受ける可能性が高い」と判断した。

 またPeopleSoft社は,同社がOracle社の敵対的買収に対抗する目的で開始した返金保証プログラム「Customer Assurance Program」を巡ってPeopleSoft社株主が起こしていた集団訴訟について,原告側と和解の了解覚書に署名したことを明らかにした。同プログラムは,もしPeopleSoft社がOracle社に買収され,PeopleSoft社製品の販売が打ちきりとなった場合,顧客に保証金を支払うというもの。「株主が同プログラムの合法性を理解してくれたことに満足している」(PeopleSoft社)

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]