米PeopleSoftの敵対的買収計画を進めている米Oracleは米国時間1月23日に,PeopleSoft社の役員会候補者5人について明らかにした。

 Oracle社が挙げた候補者は,カリフォルニア大学ロサンジェルス校アンダースン・ビジネス・スクール教授のDuke K. Bristow氏,米PurchaseProの元CEOでVenture Capital Tech社社長のRichard L. Clemmer氏,米KeyCorpの元上級執行副社長兼最高管理責任者(CAO)のRoger Noall氏,Laurel Crown Capital社マネージング・プリンシパルのLaurence E. Paul氏,ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院教授のArtur Raviv氏。

 PeopleSoft社はOracle社の敵対的買収を阻止するために株式の買い戻し(ポイズン・ピル)を進めている。米メディアの報道(CNET News.com)によると,Oracle社はこのポイズン・ピルを打ち破るため,自社寄りの人材をPeopleSoft社に送り込みたい考えだ。PeopleSoft社役員の在任期間は2年で,米Ask JeevesのCEOであるGeorge "Skip" Battle氏,PeopleSoft 社CEOのCraig Conway,米Credit Suisse First Boston の元CIOであるFrank Fanzilli Jr.氏,Read-Rite社元会長のCyril Yansouni氏が今年,再選に臨む予定である。

 Oracle社広報担当Jim Finn氏は,「Oracle社の提案について,現職のPeopleSoft社役員会は,株主にとって最大の利益になることを考えていない。当社は,株式公開買い付けなどの問題に関して何者にも縛られない判断を下し,PeopleSoft社の真のオーナーである株主のための代表者となる役員を指名する意向だ」と述べた。

 PeopleSoft社はこうしたOracle社の動きに対し,1月24日にコメントを発表した。「当社は2003年6月12日と20日に,Oracle社の買収提案を断った。独占禁止法違反の疑いで長期にわたる調査を受けることになり,買収承認を得られない可能性が高い上,Oracle社が提示した金額が当社を過小評価していたためだ。また,Oracle社が挙げた候補者はOracle社と契約を結んでおり,現金報酬を受け取る関係だ。彼らの“何者にも縛られない”立場は大いに揺らぐことになる」(PeopleSoft社)

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[発表資料(Oracle社)]
[発表資料(PeopleSoft社)]