米PeopleSoftの役員会は,「独立取締役による委員会のアドバイスに従って,米Oracleが再提示した買付金額を慎重に検討した結果」(PeopleSoft社),Oracle社の敵対的買収提案を拒否することを全員一致で議決した。PeopleSoft社が米国時間6月20日に明らかにしたもの。

 Oracle社は,PeopleSoft社株式の公開買付を6月9日に開始している。当初の買付金額は1株当たり16ドル(買収総額は約51億ドル)だったが,29%増の19ドル50セントに変更することを6月18日に発表した。これにより,Oracle社が提示する買収総額は約63億ドルとなる。

 なおPeopleSoft社は,買付金額が1株当たり16ドルだった時点で,すでにOracle社の買収提案を正式に拒否している。

 PeopleSoft社役員会は今回,Oracle社が再提示した買収条件に対する拒否を発表するにあたり,前回と同様の理由を挙げた。「Oracle社の買収提案は,間違いなく独占禁止法の疑いで長期にわたる調査を受けることになり,買収承認を得られない可能性が高い。加えて,Oracle社が(買収が成立した場合に)PeopleSoft社製品の販売を継続しないと示唆していることから,PeopleSoft社の事業が修復不可能なダメージを受けるだろう」(PeopleSoft社役員会)

 PeopleSoft社社長兼CEOのCraig Conway氏は「Oracle社が提示している金額は当社を過小評価しており,当社株主のためにはならない」と述べた。

 ちなみにPeopleSoft社は,Oracle社が買付金額変更を発表した翌日の6月19日に,米J.D. Edwardsのすべての発行済み普通株式を対象とした買付を開始した。J.D. Edwards社の株主は所有する普通株に対して,現金,株式,現金と株式のいずれの方式で受け取るか選ぶことができる。現金と株式を選んだ場合,J.D. Edwards社の株式1株につき現金7ドル5セントとPeopleSoft社の株式0.42株を受け取る。

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