米PeopleSoftと米J.D. Edwardsは米国時間6月16日に,両社の合併計画に関する取り引きの条件修正を明らかにした。当初の支払い方法は株式交換方式だったが,株式と現金に切り替える。

 両社は6月2日に,PeopleSoft社がJ.D. Edwards社を買収することで最終合意に達したことを発表。その際,J.D. Edwards社の株式1株に対し,PeopleSoft社の株式0.860株を支払うとしていた。

 今回の条件修正により,J.D. Edwards社の発行済み株式1億2240万株を,PeopleSoft社は8億6300万ドルの現金と新たに発行した5260万株のPeopleSoft社株式で買い取る。6月13日の株価(PeopleSoft社が16ドル92セント,J.D. Edwards社が14ドル33セント)に基づいた買収総額は約17億5000万ドルとなる。

 J.D. Edwards社の株主は所有株に対して,現金,株式,現金と株式のいずれの方式で受け取るか選ぶことができる。現金と株式を選んだ場合,J.D. Edwards社の株式1株当たり現金7ドル5セントとPeopleSoft社の株式0.42株を受け取る。

 両社は今回の修正について,「取り引きを迅速に遂行し,合併による利点の活用を進め,PeopleSoft社の株主に利益をもたらすため」としている。

 なお,両社合併の手続きは2003年第3四半期に完了する見通しである。

 またPeopleSoft社は,「合併完了後,2004年より年間1億5000万~2億ドルのコスト削減が期待できる」との見通しを明らかにした。

 ちなみに現在米Oracleが,PeopleSoft社株式の公開買付を行っている。PeopleSoft社はOracle社の敵対的買収提案を正式に拒否し,Oracle社を提訴した。またJ.D. Edwards社も,Oracle社に対して訴訟を起こしている。

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