米PeopleSoftは,米J.D. Edwardsのすべての発行済み普通株式を対象とした買付を開始した。PeopleSoft社が米国時間6月19日に明らかにしたもの。

 両社は6月2日に,PeopleSoft社がJ.D. Edwards社を買収することで最終合意に達したことを発表。当初は,取り引き方法を株式交換としていたが,6月16日に,PeopleSoft社が株式と現金で支払う方式に条件変更することを明らかにした。

 J.D. Edwards社の株主は所有する普通株に対して,現金,株式,現金と株式のいずれの方式で受け取るか選ぶことができる。現金と株式を選んだ場合,J.D. Edwards社の株式1株につき現金7ドル5セントとPeopleSoft社の株式0.43株を受け取る。

 6月13日のPeopleSoft社の株価(16ドル92セント)に基づくと,PeopleSoft社はJ.D. Edwards社の株式1株につき14ドル33セントを支払うことになり,買収総額は約17億5000万ドルとなる。

 株式買付の期限は2003年7月17日。両社の合併取り引きは2003年第3四半期に完了する予定である。

 ちなみに前日の6月18日には,米Oracleが,現在実施しているPeopleSoft社の株式の公開買付で,1株当たりの買い取り金額を19ドル50セント(当初の29%増)に引き上げることを発表している。これにより,Oracle社が提示する買収総額は約63億ドルとなる。またOracle社は,PeopleSoft社とその役員会,ならびにJ.D. Edwards社をデラウエア州で提訴したことを,あわせて発表した。

 なお,PeopleSoft社はOracle社の敵対的買収提案を正式に拒否しており,Oracle社を提訴したことを6月13日に発表している。またJ.D. Edwards社も,PeopleSoft社にさきがけて,Oracle社を提訴している。

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