米IDCは,米PeopleSoftが2003年7月に行った米J.D. Edwardsの買収について,J.D. Edwards社の旧顧客の反応についての調査結果を米国時間1月5日発表した。それによると,J.D. Edwards社の旧顧客の80%以上がPeopleSoft社に好感を持っている。好感を持たない旧顧客はわずか9%だった。

 調査は,J.D. Edwards社の顧客だった企業ユーザー,情報システム担当者,幹部など約600人を対象に実施した。

 IDC,Enterprise Applications Research部門担当ディレクタのAlbert Pang氏は,「回答者は,製品統合といった買収後の流れにおおむね好意的である。しかし,2004年にPeopleSoft社製品を購入予定の回答者は,限られているようだ」と述べる。

 回答者の69%は「今後6カ月間に,J.D. Edwards社買収前と比べ,PeopleSoft社製品により多くの投資を行う予定はない」と答えている。IDCでは,PeopleSoft社が顧客を引きつけるには,非常に高い価値やROI(投資回収率)を提供する必要があると指摘する。

 また米メディア(CNET News.com)によると,PeopleSoft社がJ.D. Edwards社製品のサポート料金を約5%値上げしたことについて,不満を感じるユーザもいるという。

 J.D. Edwards社の旧顧客が,2004年に達成したい目標には,「アプリケーション活用率の向上」「統合による競争力の強化」「ERPシステムの整理統合」「カスタム・コードの削減」などがある。

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