米Oracleは,現在実施している米PeopleSoftの株式の公開買付で,1株当たりの買い取り金額を26ドルに引き上げることを,米国時間2月4日に発表した。これにより,買収総額は約94億ドルとなる。

 Oracle社が買い取り金額を上げるのは今回が2度目。同社は,1株当たり16ドル(買収総額は約51億ドル)を支払うとして,2003年6月9日に公開買付を開始。2003年6月18日に,1株当たりの金額を19.5ドル(同約63億ドル)に引き上げた

 Oracle社によると,今回提示した金額は,2月3日のPeopleSoft社株の終値21.89ドルより18.8%高いという。

 また同社は,株式公開買付の期日を,ニューヨーク時間2月13日から3月12日に変更することも明らかにした。なおOracle社は,同社のPeopleSoft社に対する敵対的買収が独占禁止法に抵触するかについて,3月12日までに米司法省の判断が下るとみている。

 Oracle社CEOのLarry Ellison氏は,「この買収が市場競争を促し,顧客と両社に利益をもたらすものだと確信している」と述べた。「当社はPeopleSoft社の顧客を支援し,PeopleSoft社製品のサポートを強化することを約束する」(同氏)

 PeopleSoft社は3月25日に株主総会を開催し,役員選挙を行う予定である。自社寄りの人材をPeopleSoft社社役員会に送り込みたいOracle社は,役員候補者5人を1月23日に発表した。PeopleSoft社も役員候補者4人を1月30日に擁立。PeopleSoft社社長兼CEOのCraig Conway氏は,「(株主にとって今度の株主総会は)PeopleSoft社が推す候補者に投票し,Oracle社の候補者を否認することで,当社の事業を混乱させるOracle社の行為に終止符を打つ好機だ」と述べた。

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