米Hewlett-Packard(HP)が,Itanium 2を2個搭載したドーター・カード「mx2」をドイツで現地時間5月5日に発表した。既存の単一プロセサ「Integrity」サーバーに装着することでプロセサ数を2倍に増やすことができ,最大128プロセサ構成のシステムが実現可能となる。HP社は,「米IBMの同等クラスのシステムに比べ,購入価格が最大35%安い」としている。

 同社が8ウエイの「Integrity rx4640-8」にmx2を装着し,2ティアーSAP Sales and Distribution(SD)Standard Application Benchmarkで処理性能を計測したところ,1320ユーザー,平均ダイアログ応答時間1.96秒という値を出した。「すべての競合サーバーの結果を上回った」(同社)という。「ベンチマーク・テストSPECweb99による試験では,2004年4月20日時点で8プロセサ部門のトップ・スコア1万5600を記録した」(同社)。

 このとき使用したmx2モジュールには,動作周波数1.1GHzのItanium 2プロセサを2個搭載。プロセサ1個当たりのキャッシュ・メモリーの容量は,L1キャッシュ32Kバイト,L2キャッシュ256Kバイト,L3キャッシュ4Mバイト。さらに各モジュールは,32MバイトのL4キャッシュと,24Gバイトのメイン・メモリーを備えていた。

 Integrityサーバーの対応OSは現在HP-UX 11i,Windows,Linuxで,2004年後半にはOpenVMSも利用可能とする。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,mx2モジュール(開発コード名はHondo)は既存のItaniumプロセサ(同Madison)用ソケットに装着可能なので,単一プロセサ用スロットに挿して使用できるという。Integrity rx4640,「同rx7620」「同rx8620」用mx2の出荷は2004年6月に開始する予定。価格は,rx4640用が1万6700ドルから,rx7620用が5万6000ドルから,rx8620用が13万3000ドルから。

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