米IBMは,米Intelの64ビット・プロセサItanium 2を搭載可能な新型サーバー「IBM eServer xSeries 455(eServer x455)」を米国時間11月10日に発表した。最大16ウエイ構成が可能で,IBM社の「Enterprise X-Architecture(EXA)」技術を採用する。

 eServer x455は,プロセサを4個搭載するビルディング・ブロックを組み合わせることで,4ウエイから8ウエイ,16ウエイに拡張できる。各ビルディング・ブロックは,最大56Gバイトのメモリーを搭載可能。さらに同サーバーは,Intel Xeon processor-MPにも対応している。

 「サーバーの規模に応じて価格が変わる当社の料金体系は,サーバー・インフラの最適化と集約をするに当たり,より少ない経費でより高い効果を得たいという顧客の希望と完全に合致する」(IBM社eServer xSeries製品担当ディレクタのDoug Oathout氏)

 同社が各種ベンチマーク・テストを使ってeServer x455の性能を計測したところ,以下に示す結果を得たという。

・Intel Xeon processor-MPを4個搭載した場合,TPC-Cオンライン・トランザクション処理ベンチマークで,同等の構成の米Hewlett-Packard(HP)および米Dell製サーバーに比べ7%高い結果を示した

・Intel Xeon processor-MPを16個搭載した構成について,Microsoft Windows上でドイツSAPのSAP R/3R Enterprise Release 4.70を使い,ベンチマーク・テスト,SAP Standard Application Sales and Distribution(SD)を実施した。その結果,16ウエイ・サーバーのなかで最高の結果を出した

・Itanium 2を4個搭載した構成をSAP R/3 Enterprise 4.70とSAP SDで評価したところ,優秀な性能だったという

 また同社は,「eServer xSeries 445」に遠隔管理機能を付加するオプション・アダプタ「Remote Supervisor Adapter II」についても明らかにした。同社の「XA-32」チップセット・アーキテクチャ対応サーバー向けのアダプタ。「第1世代のアダプタに比べ,グラフィックスのリダイレクション能力が5倍向上し,標準的なWebブラウザから遠隔制御が可能になった」(同社)

 eServer x455は12月9日より利用可能とする。価格は2万1999ドルから。Remote Supervisor Adapter IIは,12月5日に行うeServer x445のアップグレード用オプションとして提供する。価格は995ドルから。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,IBM社はXeonプロセサを32個搭載可能なeServer x445を,2004年第1四半期にリリースする予定という。

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