米MicroUnity Systems Engineeringは,同社のマルチメディア処理技術とコンピュータ・アーキテクチャに関する7件の特許が侵害されたとして,米Dellと米Intelを米国時間3月26日にテキサス州マーシャルの米連邦地裁に提訴した。MicroUnity社は,「Dell社のコンピュータ・システムとIntel社のマイクロプロセサに特許侵害がある」と主張している。対象とする特許について,特許番号など具体的な内容は明らかにしていない。

 MicroUnity社は,マルチメディア処理と通信用のプロセサを手がける企業として1988年に創業。米国のコンピュータおよび半導体メーカーに対し,開発した技術をライセンス供給している。「当社の技術を導入したコンピュータ・システムやマイクロプロセサは,音声/ビデオ/ラジオ/グラフィックス/ネットワーク・データの流れを,極めて効率的に処理できる」(同社)。なお,同社の創業者の1人であるCEOのJohn Moussouris氏は,米MIPS Technologiesの前身に当たる米MIPS Computer Systemsの創業者でもある。

 訴状のなかでMicroUnity社は,Dell社のコンピュータ・システムとIntel社のマイクロプロセサの中核機能が特許を侵害したと主張。対象となる機能として,Streaming SIMD Extension(SSE)およびSSE2マルチメディア拡張,Hyper-Threading(HT)を挙げる。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,米IntergraphとIntel社のあいだで争われた特許侵害訴訟でIntergraph社側の代表を務めた弁護士グループが,MicroUnity社を支援しているという。Intergraph社とIntel社の係争は,Intel社が和解金3億ドルを払うことで決着した。

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