「マイノリティや女性が経営する小規模企業でコンピュータ導入が拡大すれば,米国の国内総生産は最大2000億ドル増大する」。米Microsoftは,小規模企業の技術利用が米国経済に与える影響について調査した結果を米国時間3月16日,発表した。

 調査は非営利目的の経済政策調査団体Urban InstituteがMicrosoft社の依頼を受けて,シカゴ,ロサンジェルス,マイアミ,ニューヨーク,シアトル,ワシントンに拠点を置く小規模企業の経営者1100人以上を対象にアンケートを実施したもの。回答者のうち75%は女性あるいはマイノリティである。今回の調査から,コンピュータやITの利用を拡大している会社は,十分に活用していない会社と比べて,生産性と収益性が向上していることがわかった。

 調査対象となった企業の68%は会計にコンピュータを利用している。顧客の獲得と維持を目的とした電子メールにコンピュータを用いる割合は43%だった。また,42%がWebサイトを持っている。

 Urban Instituteのアナリストは,「マイノリティや女性の小企業経営者がコンピュータの導入を増やせば,米国経済に大きなプラスの影響を与える」と分析する。また,「技術を活用することで,マイノリティや女性は企業家の障壁を克服できる。白人男性と比べ,マイノリティや女性は事業を起こすことに消極的だ。また,前回行った調査によると,たとえ事業を始めても売上高や生き残る率は,白人男性よりはるかに低い」(同氏)

 「調査結果は,技術投資を検討しているすべての企業家に,『YES(投資するべきだ)』という答えを提示している。また政策立案者は,マイノリティや女性が経営する小企業の技術導入を支援することで,米国経済を向上し,雇用を創出する可能性をみてとることだろう」(National Minority Supplier Development Council議長のHarriet Michel氏)

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