米Microsoftは,ITアクセスの機会に恵まれない人に向けた社会貢献プログラム「Unlimited Potential(UP)」を米国時間9月4日に発表した。UPは,地域の技術学習センター(CTLC)を通じて,人々がコンピューター操作能力を習得するのを支援する。

 第1回目のUP助成金は,現金とソフトウエアで82の非営利団体支給される。総額は810万ドル分に相当する。UP助成金は,同社の米国内外における子会社を通じてIT技術トレーニングに注力するコミュニティをベースとする団体に与えられる。同社は,同プログラムのもとに,今後5年間で10億ドルを越える貢献を計画している。

 「『デジタル格差』を縮めるには,技術へのアクセスを提供するだけでは十分でない。コンピューター操作能力は,技術を利用するための知識と教育を伴って初めて身に付けることができる。コンピュータは,使い方さえ知っていれば生活,ビジネス,経済全体さえも変化させるツールである。同プログラムは,世界の恵まれないコミュニティにおいて人々が真のコンピューター操作能力を獲得するための支援を目的としている」(同社Corporate Affairs部門主任Pamela Passman氏)

 UPは,CTCLが技術インストラクタを採用してトレーニングを受けさせる資金を支給する。次の段階として,オンラインのグローバル・サポート・ネットワークを提供する。世界のCTLCは,技術カリキュラム,研究,ツール,ヘルプデスク・サービスにアクセス可能になる。また,UPは,世界と地域において社会利益につながる技術ソリューションを促進するプログラムを後援する。

 助成金の受益者は,アフリカ,アジア,カリブ海諸島,欧州,中南米,地中海諸国,中東,メキシコ,米国にまたがる。第1回目のUP助成金として,これら地域の82団体に現金が450万ドルとソフトウエア360万ドル分が支給される。

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