米Microsoft社は,Windows Embeddedの研究支援目的で77の専門学校と大学機関に「Innovation Excellence Awards for Windows Embedded」と170万ドルの助成金を授与した。同社が米国時間6月25日に明らかにした。これは,学術研究におけるWindows Embeddedプラットフォームをベースにした新しい研究プロジェクト,カリキュラム開発の促進を狙ったもの。

 助成金は,Microsoft University Relationsと教育者と研究者にソースコード開発ツールを無償で提供してプロジェクト開発を支援するプロジェクトであるWindows Embedded Academic Program(WEMAP)から共同で与えられた。

 Innovation Excellence Awards for Windows Embeddedには,世界の120を超える専門学校と大学がWindows CE .NET,Windows XP Embeddedのいずれかの利用に関して130以上の研究とカリキュラムの案を提出していた。受賞者は,研究がもたらす科学的利点,目新しさ,革新などのさまざまな基準をもとに選出された。

 「Windows Embeddedプラットフォームをベースとする研究プロジェクトとカリキュラム開発に向けて,学術研究コミュニティから素晴らしい提案を多数受け取った。受賞者は,傑出した想像力と革新によって選出された。ロボットの利用からワイヤレスやユビキタス・コンピューティングまでデバイス・スペースは活気付いている。より強力なコンピューティング・デバイスの開発により,技術の将来の基盤となる貢献が可能になるだろう」(Microsoft ResearchのUniversity RelationsディレクタのDouglas Leland氏)

 同社は,助成金の受賞者を含め,世界の80を超える専門学校と大学から教授や博士課程の学生が参加するカンファレンス「Embedded Academic Developers Conference」を6月26~27日に本社にて開催することも明らかにしている。同カンファレンスは,Windows CE .NET,Windows XP Embeddedを含むWindows Embeddedファミリー製品の技術的知識の提供を目的としている。実践的なセッションや議論を通して,カリキュラムや研究プロジェクトのアイデアを促進する。

 WEMAPは,世界の専門学校,大学機関,学術研究組織を対象としている。「Windows CE Shared Source License」を通じて200万を超えるソースコードへのアクセスを許可する「Windows Embedded Academic Curriculum License(WEACL)」を提供する。また,「Windows CE .NET Shared WEACL Platforms Program」を通じてプロジェクトにおけるコラボレーションを容易にする開発ツールとサポートを提供する。Windows XP EmbeddedとWindows CE .NET向けの「Microsoft Official Curriculum」教材も提供する。

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