米Microsoftが米国時間4月23日に,ハンドヘルド機用OSの新版「Microsoft Windows CE .NET version 4.2」(開発コード名「McKendric」)のメーカー向けリリースについて発表した。

 Windows CE .NET 4.2について,Microsoft社は「ゲートウエイ,VoIP,セットトップ・ボックス(STB)機器用のソリューション開発に向け,新機能を追加した」と説明する。さらに,「現在Windows CEを使用している組み込み機器でも,アプリケーションの性能と互換性を高めることができる」(同社)という。

 同OSの主な新機能/強化点は以下の通り。

・セキュリティ向上や,圧縮エンジン高速化/キャッシュ・フラッシング改良などカーネルを強化

・ファイアウオール,L2TP,IPsec,テレフォニ・ユーザー・インタフェースなど,新たにゲートウエイ,VoIP,STB機能を導入

・Internet Explorer 6 for Windows CEとMicrosoft Windows Media 9により,マルチメディアおよびWWWブラウジング機能を強化

.NET Compact Frameworkにより,使い慣れたデスクトップ開発ツールを使用し,迅速なコード開発が可能となる。

・開発支援のため,Windows Embeddedパートナ8社の提供するサード・パーティ・ソリューション18種類の入ったCD-ROMが付属する。組み込み機器開発者は,ボード・サポート・パッケージ,ハードウエア固有のデバイス・ドライバ,プロファイリング・ツールなどのソフトウエアを利用できる。

 またMicrosoft社は,60社以上の企業がWindows CE .NET 4.2を対象とする早期開発プログラムに参加したことも明らかにしている。主な参加企業には,米Hewlett-Packard(HP),NECアクセステクニカ,NECインフロンティア,東芝テック,韓国Samsung Electronicsがある。さらに同プログラムの一環として,Windows CE .NET 4.2対応機器の開発を行うOEM/ODM向けプログラム「Joint Development Program(JDP)」と,ソフトウエア/ミドルウエア開発用プログラム「Windows CE .NET ISV Early Adopter Program(EAP)」も用意する。

 なお同社は,サンフランシスコで開催中のEmbedded Systems Conferenceの同社ブース(1002番)で,Windows CE .NET 4.2の評価キットを配布している。同キットは,同社のWWWサイトでも入手できる。製品版の価格と発売時期については,後日発表するという。

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