米Microsoftは,近々リリースされる予定のWindows CE .NET 4.2がデジタル・メディア・プラットフォームWindows Media 9 Seriesの最新版を搭載することを米国時間4月8日に発表した。同社が,ラスベガスで開催中の放送関連の展示会「NAB 2003」にて明らかにした。Windows CE .NETの最新版は,同年第2四半期にリリースが予定されている。

 Windows Media 9 Seriesは,圧縮技術の改良によりIPネットワークを介してMPEG2の3分の1,MPEG4の半分のビットレートで同じビデオ品質が提供できる。同社は,プラットフォームの強化と新しいパートナの製品により,IPセットトップ・ボックス業界の成長がさらに促進されるとしている。

 また,同社によれば,シリコン・ベンダーであるカナダのATI Technologies,米National Semiconductor,仏伊合弁のSTMicroelectronics,台湾のVIA Technologies,セットトップ・ボックスのソフトウエア・ベンダーの加iMagicTV,米Stellar OneがWindows CE .NET向けに製品の最適化を行うことも発表している。セットトップ・ボックスのOEMである韓国CosTron,HUMAX,NEC,韓国Tcom&DTVro社は,現在Windows CE NET搭載のセットトップ・ボックスを製造している。

 「IPベースのセットトップ・ボックスは,世界中の家庭にテレビとインタラクティブなコンテンツを提供したいと考えるCATV統括運営会社(MSO)にとって重要な配信プラットフォームになりつつある。Windows CE .NET 4.2は,高品質はビデオ・サービスとWeb機能を配信する強力なリアルタイムのオペレーショング・システム・プラットフォームを提供する。(同社Embedded and Appliance Platforms Groupのシニア・ディレクタのKeith White氏)

 同氏は,MSOのハードウエアとソフトウエアの選択肢が広がり,多機能で経済効率が良く,迅速に配備できる新しい製品の開発が促進される,としている。

 Windows CE .NET 4.2で提供する強化された主な機能は次の通り。

・Windows Media Audio and Video 9 Seriesのビデオ圧縮率の向上により,既存のネットワークでフル・スクリーンのビデオ・ストリーミングが可能になる。

・Internet Explorer 6.0とセットトップ・ボックス向けのその他の強化機能により,リモート・コントロール,Windows Messenger,Microsoft Passportによるナビゲーションが容易になる。

・Digital Rights Management 7.1が,コンテンツを保護するためのインフラを提供。

・OSでMPEG1,MPEG4,MP3などのマルチメディア形式に対応するため,OEMは幅広い形式に向けたデバイスの製造が可能になる。

◎関連記事
Windows Media 9を53カ所の映画館に導入
米MS,次世代デジタル・メディア・プラットフォーム「Windows Media 9 Series」のベータ版をリリース
「Windows Media Player 9,1カ月で1400万件のダウンロード」――米マイクロソフト
米Microsoftが「Windows Media Player 9 Series」の最終版とビデオ編集ソフト「Windows Movie Maker 2」をリリース

発表資料へ