米IDCは,IT企業のマーケティング支出に関する調査結果を米国時間3月11日,発表した。それによると,2004年前半におけるIT企業のマーケティング予算は,2003年後半と比べ2.1%増加する見込みだ。IT企業のマーケティング支出は2002年から2003年にかけて1.7%減少したが,「回復の兆しを示している」(IDC社)

 IT企業の49%は,2004年前半のマーケティング予算を,「2003年後半より拡大するつもり」と回答した。これらの企業は平均10.8%増額する予定である。

 3年にわたる人員削減と予算引き締めを経て,ITマーケティングの先導者と脱落者の差が開きつつある。「先導者は,広い視野でマーケティングに力を入れており,2004年に世界IT支出が復調するとともに市場シェアを広げるだろう。脱落者は,いまだにマーケティング業者を探しているか,あるいは経済復調の確信を得るまで傍観する姿勢を崩さないままだ」(IDC)

 IDC,CMO Advisory Service部門リサーチ・ディレクタのMichael Gerard氏は,「マーケティング投資に慎重なのは賢明なことだが,景気低迷の抑圧感を引きずってはならない。IT業界が立ち直ったときに,市場シェアをつかみ損ねるかもしれないからだ」と述べた。同氏は,「マーケティング予算を増やさない企業は,IT支出の回復と市場競争から取り残されてしまうだろう」と忠告している。

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