欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は,欧州の企業/研究機関による半導体研究プロジェクト「NANOCMOS」を立ち上げ,2400万ユーロ(約2982万ドル)の資金を提供する。仏伊合弁のSTMicroelectronicsがフランスで現地時間3月8日に明らかにしたもの。NANOCMOSは,LSIの性能および集積度の向上を目指し,素材/製造方法/アーキテクチャ/接続技術を研究する。
27カ月間かけて行う第1段階では,45nmプロセス対応CMOS技術を検討すると同時に,「現行技術の限界と考えられている」(STMicroelectronics社)32nmおよび22nmプロセスの技術的検討も始める。2006年に開始する第2段階では,32nmと22nmプロセスの実現性を確認する。
また別の研究プロジェクト「Microelectronics Development for European Applications(MEDEA+)」と連携し,2006年に商用300mmウエーハ製造工場で45nmプロセス技術を適用し,技術検証を行う。現在の計画では,米Motorola,オランダRoyal Philips Electronics,STMicroelectronicsが共同運営しているフランスのクロルにある「Crolles2」工場で作業する予定という。
現在NANOCMOSには,ドイツInfineon Technologies,Philips社,STMicroelectronics社,フランスIon Beam Services,ドイツISILTEC,ベルギーMagwel,フランスのACIES Europeといった企業のほか,CEA Leti(フランス),IMEC(ベルギー),FhG(ドイツ),CNRN(フランス)傘下の8つの研究所,Technical University of Chemnitz(ドイツ)の研究所が参加している。
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