米NPD Groupは米国時間1月26日に,2003年の米国ビデオ・ゲーム市場に関する調査結果を発表した。コンソール機,携帯型ゲーム機,アクセサリ,ゲーム・ソフトウエアを含む2003年の売上高は112億ドルで,前年の117億ドルと比べ4%減少した。

 ゲーム・ソフトウエアの売上高は前年の69億ドルから1.5%増の70億ドルとなった。パソコン向けは小売販売が不調だったため,前年の14億ドルから14%減の12億ドル強となったが,コンソール機用と携帯ゲーム機用は好調で,合計売上高は前年の55億ドルから4%増の58億ドルに達した。

 最も落ち込んだカテゴリはコンソール機で,売上高が前年比27%減少した。一方,携帯型ゲーム機は同54%増加した。携帯型ゲーム機用アクセサリは同11%減少した。

 NPD Group社ビデオ・ゲーム担当シニア・アナリストのRichard Ow氏は,「総売上高が前年と比べて減少したが,メーカーによるコンソール機やゲーム・ソフトウエアの価格引き下げ,小売店でのソフトウエアの安売りなどを考えれば,100億ドルの売上高は市場がまだ盛況であることを示している」と述べた。

 また同氏は,「市場の成長を支えているのは主にソフトウエアだ。2004年は各プラットフォーム向けに多数の人気ソフトウエア・タイトルがリリースされる予定であるため,好調な販売が期待できる」としながらも,「ハードウエアとソフトウエアともに引き続き価格が低下することから,市場全体の売上高が2003年を上回るのは難しいだろう」と予測している。

 また,ゲーム・ソフトウエア関連の米国業界団体Entertainment Software Association(ESA)がNPD Group社のデータを参考にまとめた調査結果によると,ゲーム・ソフトウエアの種類を「E(Everyone:万人向け)」「T(Teen:13~19才向け)」「M(Mature:大人向け)」などに分類したところ,50万本以上販売した49タイトルのうち44タイトルが,EまたはTだった。「これは,あらゆる年齢層のユーザーに対応した娯楽性の高い多様なゲームが作り出されていることを示している。こうした理由から,ゲーム・ソフトウエア市場は,映画音楽業界の年間成長率を上回っている」(ESAプレジデントのDouglas Lowenstein氏)

 2003年に販売されたゲーム・ソフトウエアのうち,Eは54%(2002年は55.7%),Tは30.5%(同27.6%),Mは11.9%(13.2%)だった。2003年の販売本数トップ20のコンソール機用ソフトウエアでは,EまたはTが70%だった。トップ20のパソコン用ソフトウエアの場合,EまたはTは90%にのぼった。

 コンソール機用ソフトウエアでは,9タイトルが販売本数100万本を突破した。これらはすべてEまたはTだった。また,39タイトルが50万本以上,83タイトルが25万本以上売れた。ちなみに2002年は,100万本以上が6タイトル,50万本以上が33タイトル,25万本以上が73タイトルだった。

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[発表資料(NPD Group社のプレス・リリース)]
[発表資料(ESAのプレス・リリース)]