米国のコンピュータ・ゲーム・ソフトウエア協会であるInteractive Digital Software Association(IDSA)が米国時間1月28日に,米国のエンタテインメント・ソフトウエア市場に関する調査結果を発表した。2002年のゲーム・ソフトウエア売上高は前年比8%増の69億ドルとなり,過去最高を記録したという。

 IDSAでは,消費者は2003年もパソコン用/家庭ゲーム機用のゲーム・ソフトの購入を続けると予測する。調査結果によると,米国国民の41%は「2003年中に少なくとも1種類はゲームを購入する」と回答し,子供を持つ親では約3分の2(63%)が同様に答えた。年齢別にみた割合は,45歳未満が過半数(56%),45歳~54歳が37%,55歳~64歳は26%だった。

 IDSA会長のDouglas Lowenstein氏は,「ゲームの売上が過去最高となったが,この傾向は2003年も続くだろう。斬新なゲームの登場,ハードウエア価格の低下,ゲーム・ファンの増加と熱中度の高まりがその要因」とみる。「2003年は現行ハードウエアのサイクルにおいてピークとなる年で,ソフトウエアの売上高は最低でも10%増となるはずだ。ただしこの数値は,ほかの外的要因の影響を大きく受ける」(同氏)

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・2002年の米国における家庭ゲーム機用ゲーム・タイトルの売上高は55億ドル。パソコン用ゲーム・タイトルの売上高は14億ドルだった。ちなみに2001年の合計売上高は63億5000万ドルで,家庭ゲーム機用がその内46億ドルを,パソコン用が17億5000万ドルを占めていた。「2002年はゲーム機用の割合が80%だが,5年前は65%だった」(同氏)

・過去5年間に販売されたゲーム・タイトルを対象年齢別でみると,「Everyone(一般向け)」(55.7%),「Teen(13歳以上向け)」(27.6%),「Mature(17歳以上向け)」(13.2%)という割合で多かった。「Teen」および「Mature」の割合が増えている一方で,販売本数の上位はほとんどが「Everyone」と「Teen」であった。上位20タイトルに絞ると,「Everyone」「Teen」がゲーム機用タイトルの80%を占め,さらにパソコン用では90%にもなった

・ゲーム機用タイトルのユーザーが多く購入したゲームの種類は,「アクション」(25.1%),「スポーツ」(19.5%),「レース」(16.6%)。この後「エデュテイメント(教育用ゲーム)」(7.6%),「ロール・プレイング」(7.4%),「格闘技」(6.4%),「シューティング」(5.5%),「アドベンチャ」(5.1%)と続く

・パソコン用タイトルのユーザーは,「戦略」(27.4%),「子供向け」(15.9%),「シューティング」(11.5%)の購入が多い。以下「家庭用エンタテインメント」(9.6%),「ロール・プレイング」(8%),「スポーツ」(6.3%),「レース」(4.4%),「シミュレーション」(4.1%),「格闘技」(0.1%)となった

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