米Intelは,IEEE802.11bと同802.11gの両無線LAN規格に対応するLSI「Intel PRO/Wireless 2200BG」を米国時間1月15日に発表した。これにより,同社のモバイル技術Centrino対応ノート・パソコンで,従来より高速な無線LAN利用が可能となる。

 Intel PRO/Wireless 2200BGは,Wi-Fi CERTIFIEDの認定を受けた無線LAN用LSI。IEEE802.11gに対応したことで,最大54Mbpsで通信が行える。「職場や家庭でより高速に,広い範囲で通信できるよう設計するとともに,省電力化を進め,パソコンのバッテリ駆動時間を長くした」(同社)

 セキュリティ標準規格のWi-Fi Protected Access(WPA)に対応している。将来IEEE802.11iなど新たなセキュリティ標準が承認された場合には,ソフトウエアのアップグレードで対処できる。

 また同LSIは,無線LANアダプタ向け設定/管理ソフトウエア「Intel PROSet for Wireless」に対応しており,設定を簡単に行えるほか,接続状況の確認や無線LAN用電波のオン/オフ切り替えが可能という。さらに,設定内容を記録するプロファイルを作成し,それを使い分けることで,異なる無線LANや有線LANの接続を自動的に切り替えられる。

 Intel PRO/Wireless 2200BGは,通信と無線電波の機能を処理する2つのチップで構成する。開発は,カリフォルニア州サンディエゴとイスラエルのハイファにある同社の無線ネットワーキング施設で行った。ノート・パソコン搭載用として,mini-PCIアダプタの形態で提供する。

 同LSIは,2004年第1四半期中に全世界で利用可能とする予定。1万個ロット時の単価は25ドル。なお同社によると,富士通,松下電器,NEC,ソニー,東芝といった日本のパソコン・メーカーが,数週間後に同LSIを搭載したノート・パソコンを発表するという。

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