米Silicon Graphics(SGI)が米国時間1月12日に,Intel Itanium 2と64ビットLinuxに対応する技術計算向けミッドレンジ・サーバー「SGI Altix 350」を発表した。最大16個のプロセサを登載でき,複数のAltix 350でクラスタも構築可能。価格は1万2199ドルから。

 Linux対応なので,数100種類の標準的なLinuxアプリケーションを使用できる。4プロセサ構成時の価格は2万1599ドルからとし,1プロセサ当たりの価格は5400ドルとなる。「米Sun Microsystems,米IBM,米Hewlett-Packard製のベンダー固有UNIXベースの対称型マルチプロセッシング(SMP)サーバーに比べ,価格面で最大50%,性能面で最大75%優れている」(SGI)

 Altix 350は,拡張モジュール付きの標準的な単一きょう体を使い,プロセサ,共有メモリー,I/Oをそれぞれ個別に拡張できる。そのため顧客は,処理負荷の変動に応じて実際に使用するリソースだけを購入すればよい。競合メーカーのシステムは,プロセサ数の拡張時に異なるきょう体が必要で,全体を一気にアップグレードしなければならないという。それに対しAltix 350は,1種類のビルディング・ブロックで,プロセサ数を最大16個まで増やせる。さらにギガビットEthernetやInfinibandなどの業界標準の相互接続技術を使って,数1000個のプロセサで構成するクラスタも構築できる。

 共有メモリー・アーキテクチャにより,単一のメモリー・アドレスを割り当て,データ転送のオーバヘッドを排除しているという。「その結果,すべてのプロセサがメモリー内の全データを直接/効率よくアクセスできる」(同社)。Altix 350は,1個のプロセサで最大192Gバイトの共有メモリーに対応可能。

 また同社は,システムの管理作業の省力化と効率の最大化を図るため,ツール/ライブラリなどを含むソフトウエア・パッケージ「SGI ProPack」を用意している。

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