米SGIが米国時間1月7日に,高度な技術計算向けサーバー/スーパークラスタ「SGI Altix 3000」を発表した。プロセサは米IntelのItanium 2を複数搭載可能で,OSはLinuxを使用する。「当社のスーパーコンピューティング・アーキテクチャと組み合わせることで,拡張性と性能の記録を打ち破った」(SGI)

 SGI Altix 3000は,各ノードで一つのLinuxイメージを動作させ,最大64個のItanium 2プロセサと512Gバイトのメモリーを搭載できる。また全モデルで,Itanium 2プロセサの次版(開発コード名はMadison)へのアップグレードに対応する。

 SGIのシステム相互接続ファブリック「NUMAlink」により複数のノードを接続することで,従来のクラスタリング手法に比べ最大200倍の速度でデータ転送が可能となり,数100個から最終的には数1000個のプロセサを持つシステムを構築できるという。

 また同社では,「SGI Altix 3000でグローバル・シェアード・メモリーとLinuxを組み合わせたことにより,スーパーコンピュータと同様の作業を処理用可能となった」と説明する。

 同社は他社製クラスタ・システム/ハイエンド・サーバー/ベクトル型スーパーコンピュータ(注)と比較し,SGI Altix 3000が以下の点で優れているとしている(注:比較対象のシステムは,米Hewlett-Packardの「HP Superdome」「HP Server rx2600」「HP AlphaServer GS」,米IBMの「eServer p690」,米Sun Microsystemsの「Sun Fire 15K」,米CRAYの「CRAY C90」「CRAY T90」「CRAY SV1」,富士通の「Fujitsu VPP5000 CMOS」,NECの「SX-5」)。

・浮動小数点演算の性能において,16/32/64個のプロセサを搭載するサーバーとしてで世界記録を達成(SPECfp_rate_base2000を使用)

・マイクロプロセサ・ベースの全システムのなかで,メモリー帯域幅の世界記録を達成(STREAM Triadを使用)

・Linux動作時のI/Oスループットが2Gバイト/秒あり,競合製品に比べ2倍以上高い性能を達成

・さまざまな科学技術用Linux64ビット・アプリケーションに対応

 SGI Altix 3000製品系列では,机の脇に設置可能なエントリ・レベルのモデルと,拡張可能なスーパークラスタ・モデルを用意する。

 エントリ・レベル・サーバーは2003年第1四半期に購入可能とする。4個のプロセサ(12プロセサまで拡張可能)と32Gバイトのメモリー(96Gバイトまで拡張可能)を搭載する場合の価格は7万176ドルから。

 スーパークラスタ・モデルも同四半期に購入可能とする。現時点では数100個のプロセサと1Tバイト超のメモリーを搭載できる。将来2048個のプロセサと16Tバイトのグローバル・シェアード・メモリーに対応できるように拡張するという。64個のプロセサを搭載する場合の価格は112万9262ドルから。

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[発表資料(その1)]
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