米IBMが米国時間5月21日に,Linuxクラスタ対応のブレード・サーバー「eServer Cluster 1350」を発表した。同サーバーはIBM社の「eServer BladeCenter」に各種管理/ストレージ・システムを組み合わせて構成するシステムで,同社では「Linuxクラスタの導入/管理に関わる作業を簡素化できる」としている。

 「極めてハイ・エンドの分野を含むあらゆる顧客が,独自システムの構築に興味を失うだろう。当社のeServer Cluster 1350を採用することで,短期間で頼りになるソリューションを導入できる」(IBM社ディープ・コンピューティング担当副社長のDavid Turek氏)

 eServer Cluster 1350は,eServer BladeCenterシステムと,「eServer x335」および「eServer x345」システムを任意に組み合わせられる。さらに,ストレージ・ノード「eServer x345」または「eServer x360」,管理ノード「eServer x345」の利用も可能。「これらはすべて,動作周波数が最大3.06GHzのIntel Xeonプロセサを搭載する」(IBM社)

 同社によると,eServer BladeCenterは同クラスの1Uサーバーに比べ2倍高密度で,配線数を最大83%削減できるという。「当社のブレード・ソリューションは,1台のラックに最大84台の2ウエイ・ブレードを搭載できる。米Hewlett-Packardの製品は48台までしか装着できない。顧客が大規模なクラスタを運用する場合や,設置面積に必要なコストが高額な場合,当社の提供するレベルの密度が重大な意味を持つ」(IBM社)

 eServer Cluster 1350ではシステム管理用に,「Cluster Management Software(CSM)」を採用する。CSMを使用すると繰り返し作業やエラー検出を自動化でき,システムの障害回避能力を高め,問題解決を迅速化できるという。

 また同システムは,同社のストレージ「TotalStorage FAStT200」「同FAStT700」にも対応する。同社では,「複数のリソースを1つの情報源としてアクセス/管理できるようになり,物理的な場所にとらわれず活用することで,資産の利用価値を高められる」と説明する。

 さらに同社は,BladeCenterのきょう体に格納可能な光ファイバ・スイッチをオプションで用意する。

 eServer BladeCenter対応eServer Cluster 1350は,2003年6月6日より利用可能とする。ただし同社は,価格については明らかにしていない。

◎関連記事
米IBM,ブレード・サーバー「eServer BladeCenter」を発表
米HPが4ウエイ対応の新ブレード・サーバー「HP ProLiant BL40p」を発表
米デルがブレード・サーバーを使ったLinuxクラスタを発表
米RLX,ブレード・サーバーに米トランスメタの1GHz版Crusoeを採用
「2002年Q4サーバー市場は前期比15.2%成長,エントリ・サーバーがけん引」,米IDCの調査
「2002年の世界サーバー市場は前年比4.2%の成長,首位はシェア30%の米HP」―米IDCの調査
IDCが世界サーバー市場を調査・分析,「2002年Q1は再び縮小,しかしブレード・サーバーがけん引し,市場は数年で劇的に変化する」
「2004年にはLinuxが高性能コンピューティング市場で勢力を拡大」,米アバディーンの調査

[発表資料へ]