米IBMが米国時間9月24日に,ブレード・サーバー「eServer BladeCenter」を発表した。米Intelのマイクロプロセサ「Xeon」を搭載する。

 ブレード・サーバーは,取り外し可能なカードをシャーシに差し込むタイプのサーバー。シャーシはラックに格納する。

 IBM社によると,「Xeonを2個搭載したeServer BladeCenterは,1ラック当たり84枚のサーバー・ブレードを装着可能。米Hewlett-Packard(HP)の『HP ProLiant BL20p』より36枚も多い。シングル・プロセサ・モデルのeServer BladeCenterは,Intel社の『Pentium III』プロセサとUltra160 SCSIハード・ディスク装置を内蔵したHP社製の競合サーバーと比べて,コストを最大23%削減できる」という。

 eServer BladeCenterはホットスワップ対応冷却システム,電源,管理モジュールやその他の自動フェールオーバ部品に冗長性をもたせた。またファイバ・スイッチなどのオプション機能を組み合わせることが可能。IBM社のストレージ製品「TotalStorage FAStT」と接続することで,SANインフラの管理を簡素化できる。Gigabit Ethernet接続を用いてIBM社のNAS製品「TotalStorage Network Attached Storage」とつなげれば,「強力なファイル共有を実現する」(IBM社)。InfiniBandといった将来のI/O機能にも対応する。

 eServer BladeCenterは2002年11月に世界中で量産出荷を開始する。価格は1879ドルから。最小構成モデルは動作周波数2GHzのXeonを1個,512Mバイトのメモリーを搭載する。Linux,米Microsoftの「Windows」,米Novellの「Netware」に対応する。

 またIBM社はシステム管理ソフトウエアの新版「IBM Director 4.1」を同日発表した。eServer BladeCenterに同梱して出荷する。自動設定ウイザード機能を備え,数百台におよぶブレードの管理や設定を簡素化できる。

 ちなみに米IDCの調査によると,ブレード・サーバー市場は2006年に37億ドル近い規模に拡大する見込みだという。

◎関連記事
米IBMと米インテルがブレード・サーバーの共同開発へ,「プロセサからソフトまで総合ソリューションを提供」
米キューロジックと米IBMがブレード・サーバー向けSANアーキテクチャを共同開発
米デル,Xeon MP採用の大規模向けサーバーとブレード・サーバーを発表
米HP,マルチ・プロセサ構成のブレード・サーバー「ProLiant BL p-Class」を発表
米HPがブレード・サーバー「HP Server BH」「HP ProLiant BL」を発表
米Jarevaがブレード・サーバー管理スイートを発表
IDCが世界サーバー市場を調査・分析,「2002年Q1は再び縮小,しかしブレード・サーバーがけん引し,市場は数年で劇的に変化する」
「米インテルはサーバー市場に食い込めるのか」--米Cahners In-Stat/MDRの調査

[発表資料へ]