米IDCが米国時間5月31日に,2002年第1四半期における世界のサーバー市場を調査・分析した結果を発表した。それによると,同四半期のサーバー市場は再び落ち込んだ。これは「企業の設備投資がいまだ“つかみどころのない状態”」というのが要因という。
2002年第1四半期の工場出荷時の売上高は,前年同期の134億ドルから20%減少し,107億ドルとなった。同出荷台数は105万9000台で,前年同期に比べ横ばいだった。
しかし「市場規模は縮小したが,(この調査結果は)明らかに状況が進展していることを示している」とIDC,Global Enterprise Server Solutions部門副社長のVernon Turner氏は説明する。
米Sun Microsystems,米Dell Computerや,米Compaq ComputerのIndustry Standard Server Groupのサーバーが前期に比べほぼ横ばいとなっており,これが大口市場が安定状態に向かっていることを示しているのだという。また需要も「予測しやすい状態になってきている」(同氏)という。
またIDC,Enterprise Server Fundamentals調査プログラム,リサーチ・ディレクタのSteve Josselyn氏は次のように見込んでいるという。「これまでで(企業の)インフラ増強はハードウエアの在庫分を超える域にまでに達した。このことからサーバー市場の需要は今年回復すると考えられる」(同氏)
さらにIDC,Server and Infrastructure Hardware調査プログラムのリサーチ・マネジャ,Mark Melenovsky氏は次のように分析する。「2002年第1四半期における市場の縮小は予想以上のものだった。しかし今後はブレード・サーバーの導入が進むことから,サーバー市場はあと数年でで劇的に変化するだろう。ブレード・サーバーはこの第1四半期に好調な出足を切った。IDCではほぼ6700台が出荷されたとみている。これは予想を上回る数字である。(ブレード・サーバーは)とりわけ西欧で需要が高い」(同氏)
2002年第1四半期における売上高ベースのシェアは以下の通り。
■2002年第1四半期におけるサーバー・ベンダーのシェア(売上高ベース) 1. IBM 23% 2. Compaq 17% 3. Sun Microsystems 14.8% 4. HP(Hewlett-Packard) 14.6% 5. Dell 8% 出典:IDC
なお,2002年第1四半期で変化が著しかったのはUNIXサーバー市場。その売上高は47億ドルだった。これは前年同期に比べ24%減。この減少率はサーバー市場全体のそれよりも大きい。UNIXサーバー市場の首位はSun社で,そのシェアは34%だった。このあとをHP社(同27%),IBM社(同17%),Compaq社(同7%)が追っている。
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