米Intelはドイツのミュンヘンで開催中の「Intel Developer Forum」で現地時間5月28日,通信業界に向けた構想について発表した。Intel社が思い描く標準規格ベースのモジュラ型通信サーバーおよび通信機器により,「ネットワーク装置メーカーは開発コストを削減し,製品の市場投入までの開発時間を短縮できるほか,フレキシブルな開発を進めることが可能」(Intel社)としている。

 Intel社Communications Group部門上級バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのSean Maloney氏は,通信業界の経済的失速とインターネットの急速な普及について「通信業界における10年分の変化が1年に凝縮されて起こっている」と表現し,生産量が少ない専門仕様から標準規格ベースのモジュラ型通信サーバーおよび通信機器に移行する必要が生じていると指摘した。

 標準規格ベースのモジュラ型通信サーバーおよび通信機器であれば,コストをかけずに短期間で市場に投入できるため,メーカーはアプリケーション開発やネットワーク・システム統合といった付加価値要素に注力できる。

 Intel社は現在100社以上の企業と協力し,ハードウエア,OS,ソフトウエアの標準化に取り組んでいる。その中には,ブレード・サーバー向けの仕様「Advanced Telecom Computing Architecture(AdvancedTCA)」がある。

 AdvancedTCAはバックプレーンや筐体の業界標準仕様で,2010年までの通信アプリケーションのニーズを視野に入れている。最大4.5Tbpsの伝送速度をサポートし,最大OC-768に対応したマルチプロトコル・インタフェースを備え,システムの可用性を高めると同時に,将来におけるパフォーマンスの需要増加を想定した余裕を確保している。Intel社Network Processing Group部門バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのHoward Bubb氏によると,同社はAdvancedTCAをベースにしたモジュラ型プラットフォーム設計ガイド「Modular Platform Design Guide」を作成している最中だという。

 また,同社は「PICMG 2.16」規格に準拠した通信装置向け製品「NetStructure ZT 5524 System Master Processor Board」「同5088 12U General Purpose Packet Switched Platform」「同5085 12U General Purpose Packet Switched Platform」を同日発表した。

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